目次
旅二日目。
午前2時頃にふと目が覚めてごろごろしてたところ、右足を攣って悶絶するなどという事もありつつ、4時頃に起床。無駄に早いし足痛いし、大丈夫なんでしょうか。
朝飯を食べ、6時頃ホテル出発。
昨晩も思いましたが、吊るしすぎじゃないですかね。
ホームへ。発車案内には種別や行先のほか、「九州方面」「山陽方面」という文字もあります。分かりやすくていいですね。
普通 下関→門司
というわけで九州方面へ向かう、すっかりお馴染みのJR九州所有国鉄車両です。日中は基本的に小倉行なのですが、早朝という事もあり、この列車はなんと大分まで直通するようです。まあ、私は次の駅で降りるのですが。
発車時刻となり出発。関門トンネルを通るためどうせ前は見れないだろうと、後ろの方に乗っています。
下関駅は貨物取り扱いもあるため、貨車やコンテナの姿もあります。
やがて列車は鉄橋を渡りますが、この鉄橋の下を流れているのは川ではなく、小瀬戸や小門海峡と言われる海峡なのです。写真正面が瀬戸内海で、逆方向は2〜3kmで日本海に到達します。
ちなみに写真正面の山は九州の山です。
海峡を越えて彦島という下関の島に入り、その島から関門トンネルに入ります。
2〜3分程度でトンネルを抜けて地上へ。九州に上陸、山陽本線の終点である門司駅に到着です。
この列車に乗っていても小倉へは行けますが、放送によるとここで乗り換えた方が早いとのことで、乗り換える事にします。
快速 門司→小倉
門司港始発の快速に乗り換えて、また1駅だけ移動。
門司を出ると右側にJR貨物の北九州貨物ターミナル駅が広がります。車両基地である門司機関区も存在し、貨物列車の機関車交換も行われています。
数分走ると新幹線の高架が出現。小倉駅です。
諸事情のため改札外へ。相変わらず広いですね。
これほど広く開放的な駅ですが、深夜は改札外の部分も閉鎖されているようです。
コンビニでの食料調達、郵便ポストへの郵便物投函、ついでにモノレールを見たりして、さっさと改札内へ戻ります。一瞬で汗だくになるほど暑いので冷房の効いた車内に戻りたいのです。
ホームに戻ると予定の列車が停車していました。JR九州の車両は一部区間のみを走っている最新の電車を除き、乗客が扉を開閉可能なボタンが搭載されていないため、保温保冷時は各車1箇所の扉以外を締め切る、という方法が採られています。
つまりどう頑張っても蒸し暑い外気は入り続けるのです……。まあ、半自動装置は元々寒冷地用装備ですから、暖地である九州に無いのは当たり前なんですが。
快速 小倉→博多
こちらも何回か乗って馴染みがありますね、813系電車。今回の旅で初の交流専用電車です。
汗を引かせたり特急が入ってくるのを見たりしながら発車を待っていたのですが、定刻になっても発車する気配がなく。どうしたのだろうと思っていると、「先に発車する予定の特急ソニックが車両点検のため発車できず、そのためにこの快速列車も発車出来ない状態。特急が出てから快速の発車となるのでしばらくお待ちください」という放送が。
つまり写真のあの特急のせいでこちらも遅れる、というわけです。マジですか……。ええやん、快速先出そうや。
そんな私達を尻目に、別路線を走る気動車がガラガラと轟音を立てながら発車していきました。
それから約5分、ようやく特急が発車していきました。その2分後、こちらの快速も出発。
遅れた時間は約10分。これで済んだと言えば済んだのですが、次の博多駅での接続時間は7分。遅れを3分回復させるってかなり難しいので、待ってもらってる可能性に賭けるしかないですね。
日中の快速列車は停車するスペースワールド駅ですが、朝を走るこの列車は通過。そう言えばこの駅前にある遊園地のスペースワールドは閉園するとか言ってましたね。
線路に挟まれた場所に、広い駐車場と平屋建ての建物を発見。何かと思って調べてみたところ、どうやら葬儀場だったようです。
この場所はかつて西八幡駅という貨物駅で、その跡地にこの建物が建てられたようです。それにしてもえらいとこに作りましたね。
八幡という駅名からも分かると思いますが、この辺りは八幡製鉄所に近く、工場等へ繋がる貨物線が今でも数多く存在します。
今度は線路やホーム等がとても新しい感じに。周辺の立体交差事業に伴い、ホームが新しくなった折尾駅です。前来た時は工事中ではあったもののいい感じに古かったのですが、最近新しくなったようです。
博多駅が近くなってきたところで、特急の通過待ち。遅れていてもと言いたいところですが、むしろ遅れているからこそ、途中駅でちゃんと追い抜かないとダイヤは乱れる一方ですしね。
三大都市圏以外で唯一の大手私鉄である、西日本鉄道の貝塚線列車。西日本旅客鉄道(JR西日本)とは関係ありません。
留置されてる特急列車等が見え始めました。間もなく博多駅です。
快速 博多→鳥栖
10分遅れで出発し、最終的に博多には8分遅れで到着。接続列車は待っていてくれていました。良かった。
通路側となったものの席は確保し、引き続き座って移動。5分遅れで博多駅を出発です。
博多付近では結構な数の乗客がいた車内も少なくなってきたところで乗換駅が近付いてきたため前へ。
堂々と広がる九州最古の駅の一つ、鳥栖駅に到着です。到着時は3分遅れ。少し回復していましたが、次の接続も厳しいですねこの時間は。
普通 鳥栖→肥前山口
どうやら次の列車も待っていてくれていた(?)ようで、乗り遅れる事はありませんでした。ありがたや〜。
ここまでは乗り通した事のある鹿児島本線を走ってきましたが、ここからは未知の路線、長崎本線。というわけで前に立ちます。2分遅れで鳥栖を出発。
鳥栖駅の次は新幹線接続駅として九州新幹線と同時に開業した新鳥栖駅。直角に交差する高架部分が新幹線です。
長崎方面へはまだ新幹線が開業していないため、各都市へ向けた特急列車が運行されています。
ところで、すぐ近くの窓のカーテンに、なんかやたらでかい虫がいらっしゃったんですが……。しかも飛びはしないものの、微妙に横方向に動いてるんですが。虫嫌いの私には厳しいです。
こちらは普通列車。
特急が130km/hで駆け抜ける区間なだけあって、線形も良いです。
2面3線のよく見る形のこの駅は……吉野ヶ里公園駅? 吉野ヶ里って、教科書に出てくるあの吉野ヶ里遺跡ですよね。こんなところにあったのですか。
後から調べてみたところ、その遺跡自体も線路沿いにあるそうな。どうでもいい上に知らなかったので見向きもしませんでしたが。
そんな事より次々やってくる特急の方が興味ありますいやっほう。長崎本線には博多と長崎、そして佐世保やハウステンボスへ向かう特急が高頻度で運転されており、この区間では1時間あたり2〜3本も走ってるそうです。
そして次の駅で中線へ。待避ですねこれは。
反対方向の普通鳥栖行が到着。上下普通列車が並びました。
5枚目、左がJR九州が初めて作った普通電車、そして右は国鉄が末期に製造した普通電車です。
鳥栖行列車が発車した後、佐世保方面へ向かう特急「みどり・ハウステンボス」が本線を高速で通過。
この列車は、佐世保行の特急「みどり」とハウステンボス行の特急「ハウステンボス」の2本の列車が連結されています。2枚目が両列車の連結部ですね。
長崎行の特急「かもめ」と佐世保行「みどり」はそれぞれ単独でも走りますが、「ハウステンボス」は列車本数限界等の都合で、繁忙期の一部を除いて「みどり」に併結されています。かつては鹿児島本線内の列車本数限界の都合で、「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の3列車が1本に連結されていましたが、こちらは九州新幹線の開業で解消されています。
特急が通過した後、信号が青に切り替わるまでは1〜2分ほどかかるため、その間に一度踏切を開けたりしてますね。その後発車です。
坂を上って川を渡るところで、単独の「みどり」とすれ違い。こちらの車両は九州新幹線の開業によって廃止となった在来線「つばめ」で使われていたものです。
しばらく真っ直ぐな線路を走った後、高架に上がって佐賀駅に到着。佐賀始発の「かもめ」博多行が停車中です。
「つばめ」で使われていた車両は「かもめ」「みどり」双方に投入されたため、車両で列車を区別する事は難しくなっています。
佐賀駅を出ると、また地平に戻ります。
佐賀の次は鍋島駅。長崎本線の貨物列車はこの駅までで、ここから先の貨物輸送はトラック便となっています。
その次の駅は、普通列車であるにも関わらず通過。ここは「バルーンさが駅」という臨時駅で、毎年秋に開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」という、熱気球大会の期間中のみ営業しています。その大会の主会場がこの臨時駅のすぐ先の川の河川敷であるため、大会へのアクセスは良好なようです。
大会期間中のみの臨時駅であるため毎年秋の決まった時期以外は営業しておらず、全列車が通過となります。
気球が飛び交う川を渡り普通列車とすれ違い、久保田駅。唐津線との分岐駅です。
右手に分かれていく単線非電化の唐津線を見つつ、複線電化の長崎本線は直進します。
やたらとでかい駅舎を持つ牛津駅。
特急「かもめ」とすれ違い。この白い特急形車両は長崎本線では「かもめ」にのみ使われています。今のところは。
注意信号により、速度を落としてホームに進入。2分遅れを引きずったまま、終点肥前山口駅に到着です。
乗り換え先のホームに移動したところで、博多へ向かう「みどり」「ハウステンボス」併結列車と、博多から長崎へ向かう「かもめ」がほぼ同時に入線。
肥前山口駅は長崎へ向かう長崎本線と、佐世保やハウステンボスへ向かう佐世保線の分岐駅で、かつて「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の3列車が連結されていた時代は、この駅で「かもめ」を切り離していたそうです。「みどり」「ハウステンボス」は昔から現在に至るまで、基本的に佐世保線内も連結したままです。
普通 肥前山口→佐世保
この先は長崎本線で長崎へ、ではなく、佐世保線に入り、佐世保へと向かいます。ここでの乗り換えは20分ほどの余裕があるため、ようやく遅れ回復です。
出発。ここからは長崎本線も佐世保線も単線となります。佐世保線が比較的直線なのに対し長崎本線が大きく左にカーブしていますが、これは佐世保付近を通る現在の佐世保線、大村線が長崎本線として先に開業し、後になってそれをショートカットするように現在の長崎本線が付け足されたため、このような線形となっているそうです。
単線電化の佐世保線ですが、架線を支える架線柱は通常の単線のそれとは違い、門の字のように両側に立っています。通常のように片側のみとなっていないのは、この辺りが軟弱地盤であり、路盤が悪いため、なのだそうです。
最初の駅にていきなり列車交換。
続いての駅では、やたら線路状態の悪そうな中線に入線。離合や待避はなく、そのまま発車。
続いての駅、架線に電気を供給してそうな施設を発見。その奥には保線車両もいます。
線路は高架へ。この高架、そこまで古くはないですね。
全列車が停車する武雄温泉駅に到着。現在建設中の長崎新幹線の駅も設けられる予定となっています。
そのまま少しの間、高架を走り続けます。
その後線路は山間部へ。特急が通るという事である程度整備はされてるものの、カーブは厳しいです。
ホームが互い違いに設置されてる駅に到着。出発信号が停止という事は、列車交換ですかね。
駅名は「永尾」。いい雰囲気の駅舎です。
少しして、予想通り博多方面への特急が通過。
勾配が目に見える区間。交流電化特有のセクションもあります。
またも注意信号で、本線ではない線路へ入線。今度は離合や待避はなく、単に駅舎側のホームに列車を誘導しただけのようです。
海に向かって、カーブやトンネルで山を越えていきます。
トンネルを抜けたところにカーブしてる駅。その駅を出ると、45km/hの臨時徐行が出現しました。
元々55km/hの制限がかかってるカーブなのでそこまで列車運行に影響は出ないとは思いますが、一体何があったのでしょう。
ふむ、徐行区間の左側に土嚢っぽいのが見えますね。もしかしてここ、先日の豪雨で土砂流入した現場なのでしょうか。
2017年の九州北部豪雨において、佐世保線においても土砂流入が発生し2日ほど運休していたのですが、ここがそうなのかもしれません。
周囲が少し開け、コンテナが山積みされてるこちらは有田駅。有田焼で有名な有田です。
特急は停車しますが貨物列車の運行はなく、コンテナは先ほどの鍋島駅までトラックで運ばれています。
出発。有田駅ではかつて国鉄、JRの路線だった松浦線を引き継いだ、松浦鉄道が分岐しており、しばらく並走した後右へ分かれていきます。
列車交換のために設けられた信号場。現在は定期列車の交換はないそうですが、臨時列車が運転される際に活用されてるようです。
それにしても煙が凄いですね、何燃やしてるんでしょう。
川にしては流れがないような謎の水溜り。湖? 近くには温泉ホテルとかいう看板もありますが、営業してるかどうか雰囲気的に怪しかったので検索してみたところ、営業はしてるものの大人向けのご休憩ホテルでした。
まだまだカーブを抜けていきます。
列車は長崎県に入り、普通列車と列車交換。佐世保線の普通列車はそこそこの本数があります。
さらに一つ丘を越えると、大きく左カーブ。
速度を落としながら複雑なポイントを多数通り、一番右側のホームへ。
行き止まりのため、厳しい速度制限を受けながら到着。早岐駅です。
終点でもなければ乗り換えでもなく、ただ単に配線の都合上、有田方面と佐世保方面を直通する列車は、早岐駅で進行方向が変わる、というだけです。というわけで反対側の先頭へと移動。
このような配線になっているのは、この区間が元々長崎本線として開業した名残です。肥前山口、有田から長崎へ真っ直ぐに線路を引いたところ、佐世保へは方向転換が必要になった、というわけです。
その長崎方面からは、隣のハウステンボス始発の特急「ハウステンボス」が、反対の佐世保方面からは、佐世保始発の特急「みどり」がほぼ同じタイミングでやってきました。両列車はここで連結し、共に博多へ向かいます。
逆に博多からやってきた「みどり」「ハウステンボス」はこの駅で切り離しを行い、それぞれ背を向けて各終着駅へ向かいます。
「みどり」がやって来たことで線路が空いたので、進行方向の変わった普通列車が出発です。右へ行くと有田、佐賀、博多方面。左が佐世保方面となっています。
左へとカーブし、まだ山の中を、しかし賑やかな山の中を走っていきます。
佐世保線の特急や普通に加え、長崎方面からの列車も入るためこの区間の本数は多めなのですが、それでも単線かつ列車交換無しで大丈夫なくらいなんですね。
切り通しやトンネルを抜けると、線路は高架へ。右側には地上時代の跡っぽいものも見えます。
そして規模の大きな高架駅に到着。終点、佐世保です。
長崎へ向かう快速列車や松浦鉄道の普通列車などが停車していますが、乗り換えではありません。
「JRグループに限れば」日本最西端の駅という事で、そのように書かれています。ホームの規模の割に狭い改札を抜けます。