目次
鳥羽駅前。大きな大きな鳥居がありますが、どこの結界なのでしょうか。
JR側の駅舎。線路を隔てた反対側には近鉄の駅舎があり、改札内で繋がっています。
そのJRの改札口。まあ当然ながら自動改札機なんてありません。近鉄側にはあります。
ホームは近鉄は2面4線、JRは1面3線で、JRは終端駅という構造上改札とホームの間の階段移動が不要になっています。
停車中の近鉄電車には「貸切」の文字。定期列車だけでなく団体列車も近鉄の方が多いかもしれません。
JRのホームに戻りまして。停車中の折り返し快速「みえ」号。列車は2両編成を2本繋いだ4両編成となっています。
いやー広いホームですねー。てか一部砂利なんですけどこれ。
快速「みえ」8号 鳥羽→松阪
再び「みえ」で松阪まで戻ります。帰りの先頭車は自由席ですので、座って帰ります。足痛い。
近鉄特急の到着と同時に出発。
この辺りの海岸線はかなり入り組んでいるので、近鉄と並走してる間でも海が見えます。
池の浦シーサイド駅。ちゃんと駅名標もありますが、営業日以外は全列車通過です。
何か動くものが見えたのでカメラを空に向けてみたのですが、これは……軍用ヘリ?
あと普通の飛行機っぽいのもいました。
近鉄線をくぐりまして、車両基地が広がっていた伊勢市駅。2016年3月31日で車両基地は廃止となります。
その広い構内には、今日のダイヤ改正で運用から外れた車両たちが留置中。
近鉄の特急「伊勢志摩ライナー」。これは車両に付いた愛称であり、列車名ではありません。
そんなこんなで松阪に到着。
松阪駅も、他のいくつかの駅と同様近鉄と隣接しており、さらに改札内で直接繋がっているので自由に行き来できます。が、この日はその境界部で臨時改札を行っていました。
近鉄の切符は持ってないのでどうしようかと思いましたが、青春18きっぷを見せるだけですんなり通過。近鉄側の跨線橋にあるファミマで食料を調達し、再び臨時改札を通ってJR側に戻ります。
やってきたのは5番線、名松線ホーム。通票閉塞を採用しているためか、ミラーの横に「通票」って書いてあります。
普通 松阪→伊勢奥津
たくさんの鉄(20人以上?)に囲まれ、15分ほど遅れて到着。乗客も物凄い数です。
なんでこんなに人がいるのかと言いますと、今日は名松線全線復旧の日だからです。名松線は2009年の台風により、7年もの間途中家城から終点までの区間が不通となっていました。名松線はJR全線の中で営業係数ワースト1、つまり超赤字路線であり、加えて路線周辺の環境も悪いため一時は一部廃線の話も出ましたが、最終的には全線復旧が決定。そしてその復旧日が今日というわけです。
しかし、全線復活の日なのである程度人が多いとは思っていましたが、人の多さは想像以上。なんとか前を見る場所は確保しましたが、本当に東京の朝のラッシュレベルの混雑です。
名松線は全線で非自動閉塞となっており、松阪から途中家城までは票券閉塞、家城から終点伊勢奥津まではスタフ閉塞となっており、特に票券閉塞はJR路線では唯一のものとなっています。両者の違いは続行運転が可能か否か、という点になります。
発車直前に、駅員から通票を受け取ります。これがこの先の区間唯一の通行証であり、これを持っていない列車は通行する事が出来ません。
超満員状態で、出発進行。
少し進んだところで紀勢本線と名松線が分岐。直線側は紀勢本線であり、名松線は分岐側のため速度制限を受けますが、その速度がなんと35km/h。名松線の線路規格の低さを思い知ります。
車両は周辺と一緒に古い車両が一掃され新しいものになっているので、最加速は容易ですがね。
紀勢本線と別れ、しばらく直線。スピード出せそうに見えますが、線路規格のせいか名松線全体で65km/h制限となっているため、そんなに速くはありません。運転士さんの喚呼「名松制限65」というのが聞こえます。
踏切で、ホームで、沿線で。とにかく列車を撮ってる人を見かけます。それも鉄っぽい人だけでなく、見るからに一般の人でも。
少しずつ、少しずつ山へ入っていきます。
途中の駅はほとんどが1面1線のみの棒線ホーム。というのも、線内で複線以上になっているのは途中の家城駅構内だけとなっています。
とまあ、普段はそんなに利用客はいないはずなのですが、復活日のためか、途中駅にも人がたくさん。始発駅の時点で超満員なのに途中駅で多かれ少なかれ乗ってくるため、どんどん混雑します。ほとんど乗るスペースが無いのに乗ろうとするため、乗り込むのに時間がかかりどんどん遅延が拡大。
車内環境はまあ最悪ですが、前だけ見てれば平和なもの。ただ、ほとんど身動きが取れないため、足の負担がヤバイです。
棒線化された駅もちょいちょい見かけます。票券にしろスタフにしろ、非自動閉塞では交換可能駅には駅員配置が必須なため、無人化のために交換設備も撤去して棒線化した、というところでしょうか。本数も少ないですし。
ただ、必要最低限のみしか残されなかったため、このようないざという時の増発も不可能になってしまっています。
トンネルを抜けまして、雲出川に沿い始めます。
正面に見える山。あの山に今から入っていきます。
乗ってくる客は、鉄よりは地元の人の方が多い模様。復活を祝うとかそんなとこでしょうか。
注意信号、そして線路分岐。名松線で唯一2線以上の線路を持ち、列車交換が可能な家城駅に到着です。約3分遅れて到着しましたが、元々10分以上の停車時間があるので問題なしと言えば問題なしです。
スタフを駅員に渡し、対向列車が来るのを待ちます。
やってきました。あちらさんも超満員で、3分ほど遅れているようです。
スタフを受け取り、出発進行。ここから先が、約7年間不通だった区間になります。
長い間列車が走っていなかったためか、線路が錆に覆われてしまっています。
線路合流。やっぱり一番安いスプリングポイントですか。
なんだかより線路規格が低くなったような気がします。最高速度は変わらないはずですが。
程なくして本格的に山中へ。
山中の川沿いを走る名松線。台風による被害は土砂崩れと路盤流出が主だったようです。
枕木とバラストが新しい上に線路横の柵も新しい感じのもの。被害を受けた区間ですかね。
特に急なカーブというわけでもありませんが、45km/hや35km/hの速度制限が連続し、あまりスピードが出ません。というかこの辺り、線路の内側と外側でかなり色違いますが大丈夫なんでしょうか。
山の中で川沿いを走る路線というのはよくありますが、ここは川からの高さが比較的低いですね。
こちらも復旧区間でしょうか、斜面にはコンクリートも。
復旧区間の各駅では横断幕を掲げたり旗を振る人が多数。そのためか、普段誰もいない無人駅に警備員が配置されています。
川の向こうにカメラを持った人が数人。復活区間になってより人が増えました。
砂利じゃなくて土か砂になっちゃってませんかこれ。砂利によるクッション性どうたらというのはどこに行ったんですか。
プールのようなウォータースライダーのような何か。場所が場所ですし廃墟かとも思いましたが、どうやらまだ現役のプールだそうです。
火の谷温泉という温泉があり、そこにある美杉リゾートというリゾート施設の中の「ウォーターパーク」で、ウォーターパークに関しては夏のみ営業とのこと。名松線の駅より歩いて行く事が可能なものの、公式HPでは近鉄特急停車駅からの無料送迎バスを一番に案内しています。
なんというか、お祭り騒ぎですねこれは。
お祭り騒ぎな駅を過ぎ、まだまだ進みます。
かなり山奥になってきましたが、ほんとにカメラ持ってる人多いですね。
こちらでも旗を振る子供たち。「ようこそ」という横断幕もありますが、果たして降りた人はどのくらいいたのでしょうか。
起点から40km地点を示すキロポスト(距離標)。名松線は43.5kmなので、あと3kmちょいという事になります。
相変わらず45km/h程度のゆっくりしたスピードで走ります。
周辺の畑などに三脚を立てている人はたくさん見ましたが、ついに列車が接近してるにも関わらず踏切内線路上でカメラを構えてるアホ出現。
列車の安全運行を妨害する以前に下手したら自分が死ぬのに、どうしてそういう事が出来るのか不思議でなりません。
こちらの踏切にはちゃんと安全な場所から手を振る人々。7年間列車が通らなかったためか、踏切には「ダイヤ改正日から列車が通ります」という旗が立てられています。
一気に人が増えてきました。下手したら100人くらいいるんじゃないでしょうか。
ゆっくりホームに進入し、停車。約10分遅れて、終点伊勢奥津駅に到着です。入場を制限しているのか、ホームにはスーツ姿の社員さんなど数人のみ。そして柵の向こうには物凄い人が。
木の陰になってしまっていますが、蒸気機関車時代の給水塔が残っています。
名松線は名と松、つまり名張と松阪を結ぶ路線で、本来ならこの先約30kmの名張まで繋がる予定だったのですが、名張と松阪は現在の近鉄によって結ばれてしまったことで名松線を全通させる必要がなくなってしまい、途中伊勢奥津までの路線となって現在に至ります。ちなみにこの先国道を5kmほど進むと、奈良県になります。
駅自体は終着駅ながら1面1線の棒線駅で、来た列車が折り返すのみとなっています。
人だらけの中なんとか列車を撮影し、仮設の出入り口でホームから外れます。恐らく人が多すぎたためにこのようなものが設けられたのでしょう。
駅前は完全に祭り。よく分からないキャラクターがいたり、復活記念のクリアファイルを配ってたり、特産品の屋台まで出ています。全線復活がよほど嬉しかったのでしょう。鉄道は初めて開通した時もこんな感じだったのでしょうか。
とりあえず来た列車で戻りますが、列車に乗るには列に並ぶ必要があるほど。100人どころの騒ぎではありません。これ、乗れるのでしょうか……。
改札なんかも機能しない状態で、駅前では車掌さんが車内などで使う携帯端末で切符を発行してる姿も。
太鼓を鳴らす人、名松線を守る会など。
伊勢奥津駅は10年ほど前に駅舎を建て替え、立派な駅舎を持っています。が、それは住民センターが併設されているためであり、駅自体は無人駅となっています。たぶん駅の方がオマケですこれ。
人が多すぎて最悪次の列車(2時間後)に乗る事も覚悟しましたが、なんとか乗る事が出来ました。当然前なんて見れませんし、座る事も出来ません。吊り革を確保出来たのがせめてもの救い、というレベルです。
普通 伊勢奥津→松阪
楽器を演奏する人達に見送られ、伊勢奥津駅発車。どういうテーマなんですかあれは。
景色は綺麗ですが、既に足が限界を越えています。だいぶしんどいです。
とりあえず少しでも負担を軽減するため、荷物を棚へ。普段は置き忘れなどをしないために荷物は足元に置くのですが、今回はそんな余裕もありません。
家城駅にて列車交換。
やはり利用客層を見ていると、もちろん鉄な人も多いのですが、沿線の人がかなり多いです。復活を祝って、もしくは伊勢奥津などのイベントへ行くために、という辺りでしょうか。
途中で席に座れず立っているお爺さんが倒れこんだりなんて事もありましたが、周囲の人が親切にも水を分けてあげたりしていました。最終的に床に座っていた方がいいだろうとそのお爺さんは床に座っていました。
ようやく松阪まで戻ってきました。伊勢奥津から離れるほど客も(少しですが)少なくなり、私も少しだけですが座れました。それでもなお満員なので、ワンマン列車にも関わらず途中駅でも全扉を開放していましたが。
松阪には17分ほど遅れて14:47に到着。超満員な中、途中駅で降りる人がチラホラいるため、それに時間を取られた感じです。
14:47発車予定の快速「みえ」名古屋行き。どうやら名松線列車の到着と乗り換えを少しだけ待っていたようで、車掌が「出していいの!?」などと言っていました。
ちなみに私の乗り換え予定列車は14:34発。さすがに待ってくれていませんでしたので、1時間待ちという事になります。
スタフを持って駅事務室に入っていく駅員。列車の発車時に改めて渡しに行くようです。
松阪牛の松阪らしく、牛肉弁当などの駅弁も売っています。
すぐ横が近鉄線ホームのため、駅に入ってくる近鉄電車もよく見えます。
普通 松阪→亀山
1時間待ちまして、やってきた列車に乗って亀山へ。さすがに疲れたので座ります。この区間も乗った事ありますし。
快速「みえ」と接続するためか、津駅で10分ほど停車。近鉄線に入ってきた伊勢志摩ライナーを撮影。
大きく左にカーブして終点亀山に到着。関西本線との接続駅で、名古屋、京都、奈良、難波の各方面へ線路が繋がっています。
亀山駅。このホームは大正2年に作られたのだとか何とか書いてありました。えーっと、100年以上前ってことですね。
松阪から乗ってきた新しい気動車。先頭下部には線路内の動物と衝突した際の衝撃緩和装置(スポンジゴム)が搭載されています。
普通 亀山→加茂
JR西日本の関西本線列車が到着。
構内にある転車台。亀山駅はJR東海とJR西日本の境界で、駅自体はJR東海の管轄となっているものの、駅構内にはJR西日本の車両基地と運転司令所もあったりと両社の設備が集まっています。
出発進行。JR西日本の関西本線は大好きな区間ですが、今日は足が痛いので基本的に座っていきます。
現在でこそ30分〜1時間に1本、1〜2両編成の普通列車がやってくるのみですが、かつては名古屋-大阪間のメインルートであったため各駅とも構内は非常に長くなっています。上下線の他に中線があったであろう駅も多いです。
トンネルとカーブを通りつつぐんぐん上っていきます。
加太駅にて列車交換。
かつて各駅で貨物取り扱いを行っていた時代の貨物引込み線も多く残っています。
列車は加太越と呼ばれる峠越え区間へ。現在の車両なら特に問題なく上って行きますが、特に勾配に弱い蒸気機関車時代は難所であったらしく補助機関車を連結して峠を越えていたそうです。
上り勾配の途中にある列車交換設備、中在家信号場。スイッチバック式の信号場ですが、現在ここで列車交換は行いません。
信号場を越えてしばらくすると、今度は下り坂に。写真でも分かるほどの下り坂となっています。
やがて右側に引き上げ線が出現。よく見ると右側の引き上げ線にのみ架線が張られているのが分かります。
右にカーブして、非常に広い構内を持つ柘植駅に到着。加太越のための補助機関車はここで切り離され折り返していたため、構内には給水塔や転車台があったそうです。
電化されている草津線が接続しているため、構内の一部には架線が張られています。先ほどの引き上げ線の架線も草津線の電車用です。
島ヶ原で列車交換。やはりホームが長く、8両は余裕で入ります。ホームからはみ出してもいいのなら12両、16両も入るかもしれません。
1時間遅れたせいで暗くなったじゃねーかと言うべきか、1時間遅れたおかげで綺麗な夕焼けが見れるというべきか。後者ですね。
鉄橋を渡り、木津川沿いの崖っぷち区間へ。景色が綺麗なとこでもあります。
笠置駅で列車交換。この区間では数少ない島式ホームです。
景色は結構赤いのですが、太陽本体は中々見えませんねぇ……。
と思ってたらチラッとだけ見えました!でも上手く撮れてない! 太陽を綺麗に撮る練習もしないといけませんかね。
木津川から離れると、まもなく終点です。この先は再び電化区間ですので本線上に架線が復活。
終点加茂に到着。関西本線は名古屋からJR難波までの路線なのですが、そのうち名古屋近郊と大阪近郊は電化されており、間に挟まれた亀山-加茂間のみが非電化という状態になっています。
大和路快速 加茂→大阪
ここからは大阪近郊の電化区間という事で、名古屋到着以来の電車へ。ってこの車両、確か柘植にもいましたよね?
空が真っ赤です。よく晴れてますね。
奈良駅では、一日数本しか見かけない車両を偶然発見。この車両は北から入ってくる場合と南から入ってくる場合があるのですが、今回は南からの直通快速ですね。
そろそろ赤いを通り越して暗いになってきたので、今回はここまで。この後無事家まで辿り着き、早めに寝ました。さすがに座席夜行ではほとんど体力回復しなかったようです。
おしまい。