2016年春の旅3回目。
今春最初に行った四国一周前半の続き、後半になります。
既に何回か書いていますが、元々は1回でまとめて四国をぐるっと一周しようと思っていたのですが、そうすると軽く一週間ほどかかるため、体力と何より足が持たないという判断により、前半と後半の2回に分けました。
今回はその後半というわけで、香川県と徳島県へ。前半と同じく四国の鉄道残らず乗り潰しが目的ですので、各私鉄なども混ざっております。
では具体的なルートを。
前半と同じく岡山から瀬戸大橋を渡りまして、土讃線の途中から徳島線に入り、徳島へ。徳島より南下し、牟岐線、阿佐海岸鉄道などを往復して徳島に戻ってきて一泊。鳴門に寄り道してから高松に入り、高松の私鉄の琴平電鉄や八栗ケーブルというケーブルカーを乗り潰して、高松で一泊。翌日そのまま大阪に真っ直ぐ帰ると時間が余るため、瀬戸大橋を通って本州に戻った後岡山から津山線、因美線を通って鳥取へ向かい、若桜鉄道、智頭急行などを通って大阪に帰ってくる、というルートになっています。
2泊3日で、瀬戸内海→太平洋→瀬戸内海→日本海→瀬戸内海というよく分からない動きをしているものの、経度的にはほとんど動いていないという謎ルートとなっています。
観光要素はありませんが、今回もJR以外の路線をそこそこ通っています。ケーブルカーに乗るために登山する場面もありますしね……。
※写真はクリックで拡大できます。もしクリック出来ない場合は、前後の写真をクリックすると関連写真的な感じで拡大写真を見ることが出来ます。
目次
毎度お馴染み大阪駅。金沢へ向かう一番列車、特急「サンダーバード」1号が入線していたり、回送列車が通過したり。
前回の旅「やくもサンライズ」と全く同じ時間帯、同じ時間に出発する新快速に乗るため、同じく30分以上前から並んでいます。
今日の空は微妙なところ。実は青春18きっぷの利用期間まで後がなく、なのに天気予報では晴れが続かなかったので、今朝及び3日目は雨の予報となっています。天気の回復を待っていたら青春18きっぷが使えなくなるので、もう覚悟決めました。
先発の快速列車。
新快速 大阪→姫路
そして大阪駅始発の新快速列車。無事席確保です。
淀川及び神崎川を渡り、兵庫県へ。
4月上旬ということで、ちょうど桜がよく咲いてる時期。しかし、新快速列車はいつも通りのスピードが出ておらず、いつもより大幅に減速したまま走行。先行列車の遅れでもありましたかね。
ダイヤ改正日を迎え、開業した新駅「摩耶駅」。何回かホームは見てきましたが、今回はちゃんと人がいます。
前回は三ノ宮に同時進入だった快足を途中で追い抜き、三ノ宮で待ち合わせ。2分ほど遅れてますね。
東経135度上にある明石の天文台。前回はちょうど正面の位置で対向列車とすれ違いましたが、今回はダイヤが乱れてるせいかすれ違いは起こらず。
またまた減速。前を走る普通列車が5分遅れとのこと。複々線なら普通列車と線路が別なので普通が遅れていても新快速には影響出にくいのですが、複々線区間は終了し通常の複線区間になっちゃってますからね……。
ところで、姫路での接続時間6分なんですが大丈夫ですかねこれ。
姫路駅手前の川。桜が咲いてますが、そんなものゆっくり見る余裕はなく、接続出来なかった場合に使う新幹線の料金を調べたり。
こちらも摩耶駅と同様、先日開業した東姫路駅。
そして列車は遅れたまま姫路駅に到着。6分遅れだそうです。駅構内放送によると、接続先の列車は待ってくれているとのこと。ただ、ほぼ満員の新快速から一気に降りてくる人のため思うように進めません。
普通 姫路→岡山
人の隙間を縫うようにして出来るだけ急ぎ、上りの階段で転びながらも接続先列車に乗車。急ぎまくったおかげか、座ることが出来ました。
ただ、列車は中々発車せず。と思っていると、横を貨物列車が通過。なるほど、新快速が遅れているとその後ろを走っている貨物列車も遅れ、貨物列車の後に発車する予定のこの列車も発車遅れ、というわけですか。転ぶほど急ぐ必要は無かったのかも知れません。
まあとにかく余計な出費(新幹線)もせずに済んで一安心。貨物列車が通過後の8:06、定刻より5分遅れて出発です。
姫路を出た後も、先行列車が「踏切の安全確認を行った」ために駅間で停車し、さらに遅れが拡大。
相生は12分遅れで発車。左に分かれる赤穂線を見つつ、引き続き山陽本線を走ります。
かなり晴れてきましたね。青空が広がります。
綺麗に反射しています。
岡山県はどうやらデスティネーションキャンペーン中のようで、「晴れらんまん おかやまの旅」なんて書いてあります。
デスティネーションキャンペーンとはJRと自治体が行っている大型観光キャンペーンのことで、大体いつでもあちこちでやってます。
川を渡り、岡山駅に到着。11分遅れです。
山陰本線の信号トラブルにより特急「やくも」の一部が運転休止になっているとのこと。あちこちで遅れてるようです。
岡山での乗り換えは20分ほど時間がある上にその30分後の列車に乗っても大丈夫なので、問題なしです。
快速「マリンライナー」19号 岡山→坂出
約1ヶ月ぶりのマリンライナー。前回より1時間ほど遅いためか、待ってる人はそこそこ多かったものの、席は確保。
遅れてる列車と連絡するため、3分ほど遅れて発車。マリンライナーはもはや遅れてるのが標準みたいなとこあります。
山陽本線を離れ、宇野線へ入ります。先日のダイヤ改正からなのか、日本語と英語の自動放送が導入されていました。
茶屋町。宇野線との分岐駅で、四国へ向かう列車は本四備讃線に入ります。
宇野線のうち、終点宇野駅方面へは「宇野みなと線」などという愛称が付けられていました。別に無理に愛称付けなくてもいいんですけどねぇ……インパクトや覚えやすさよりも言いやすさ、使いやすさが重要だと思うのですが。
海際にある謎の観覧車を見つつ、瀬戸大橋に入ります。今回は進行方向左側ではなく右側、西側となっています。
いつもと逆側なので新鮮なのは新鮮なのですが、やはり間に線路がある分海は見えにくいですね。
いつも通り海上に出てから10分もせずに四国上陸。宇多津方面へ向かう本線と分かれ、坂出への短絡線を走行します。
普通 坂出→琴平
坂出到着。ここも乗り換えが厳しいので写真撮ってる暇なぞありません。
予讃線と土讃線の分岐駅、多度津駅。側線には気動車が留置されていました。
岡山へ向かう特急「南風」が到着。
しばらく停車との事なので運転室内をボーっと眺めていると、上の方にレールのようなものを発見。先頭車同士を連結して通路にする時に機械を触られないように閉じる扉のレールって事ですかね? こういうのは開き戸が多いんですが、まさか引き戸とは。
左側の側線部に貨物列車を牽引した電気機関車が停車。
5分ほど停車した後、出発。前回は右側の予讃線でしたが、今回は土讃線、左カーブです。
枕木交換が行われているらしい土讃線。国鉄末期に簡易電化された区間であり、架線も安いもののため、架線から電気を取り入れて走行する電車には速度制限がかかります。
琴平電鉄の線路を跨ぎつつ、終点琴平へ。
改札口に面した2番線に到着です。
次の列車までは40分以上あるため、暇潰しも兼ねて一旦外へ。なんかコンビニ入ってますね。
駅前には立派な桜もある琴平駅。
C58形蒸気機関車の動輪なんてものも。
現在の予讃線、土讃線の一部である琴平-丸亀間は明治22年に讃岐鉄道という私鉄が開業させたものだそうです。その後山陽本線を運営していた山陽鉄道に買収され、明治39年には山陽鉄道が国有化されたためこの区間も国鉄の路線となり、国鉄はこの区間を元に四国各地に路線を延ばしていったそうです。
ちなみに四国で最初の鉄道である伊予鉄道の開業は明治21年。讃岐鉄道より約7ヶ月ほど早いものとなっています。
やる事もないので改札内に戻り、乗り換え先のホームへ。
跨線橋には、こんぴらさんと並んで今月末にオープンする京都鉄道博物館のポスターが。あれ、ここJR西日本じゃないですよね? JR西日本が広告を出したのか、JR四国が出したのか、どっちなのでしょう。
階段を下りたところでちょうど高松行が出発。
あと30分以上。いやはや暇です。
ホーム上には古そうなベンチのほか、なんと洗面台も。SLの煙で汚れた手や顔を洗ったり、夜行列車の到着後に顔を洗ったりなど、昔はどこの駅にもあったそうです。現在でも残ってるところには残ってますが、その数は少なくなってしまっています。
向かいホームの階段の下にはなぜかリヤカー。誰が何に使ってるのでしょうか。
普通 琴平→佃
発車30分前、折り返し阿波池田行が到着です。
高知側の先頭部分の座席は、横にトイレがあるためか前向き固定のクロスシートとなっており、座ったまま前が見れる貴重な車両です。この区間も既に何回か乗っているため、ここに座ったままで前を見たいと思います。
岡山へ向かう特急南風が到着。
そして出発です。
本線を少し進んだところで架線終端標識が現れ、非電化に。
あちこちで桜が咲いています。
特急南風を待避。
トンネルを抜けて徳島県に入ってすぐの場所にある坪尻駅。急な下り勾配の途中にあるためスイッチバック式の駅となっています。停車のため、一旦引き上げ線へ。
進行方向を変え、ホームへ。ワンマン運転のため、運転士が反対側の運転席に移動し、各種運転に必要な機器を立ち上げてから移動します。
一番前に張り付いたままだと、当然ながら一分程度だけ一番後ろと化します。
停車中に本線を特急南風が通過。最高100km/hで通過するので相当速いです。
特急待避が終了したので出発進行。再び本線を下り始めます。
スイッチバックは既に何回も経験していますが、何度経験しても面白いものです。
桜に囲まれながら一気に高度を下げ、それまで右手に見えていた吉野川を渡ります。
普通列車同士が同時に進入する佃駅に到着。土讃線と徳島線の分岐駅であり、今回はここで乗り換えです。
普通 佃→徳島
時刻は13時前。後ろの扉から服がはみ出すほどの学生が乗っていました。一瞬乗れないんじゃないかと思いましたが、乗り換え時間は1分のみだったので半ば無理矢理乗り込みました。
車内も学生で満員でしたが、幸い車内移動可能な程度の混雑でしたので、人ごみを掻き分け一番前に辿り着く事が出来ました。
左にカーブする土讃線と別れ、徳島へ向かう徳島線は軽く右へカーブします。
徳島線は先ほど渡った吉野川沿いの路線ですので土讃線と違って山越え路線ではなく、線路は比較的平坦です。
線路脇のほか、山肌にも桜が見えます。
佃では満員だった学生ですが、比較的近い駅でどんどん降りていきます。
徳島線を走る特急「剣山」と列車交換。徳島と阿波池田を結ぶ特急で、かつては高知まで乗り入れていましたが、現在は阿波池田で高知発着の特急と接続するダイヤとなっています。
全線で吉野川の南側を走ります。
かつては島式1面2線だった駅。駅前後にカーブと空き地が残ります。
遠方注意、場内中継停止。つまり駅手前の信号が赤信号になっているため駅に入れないという意味になります。
しかしその赤信号のはずの信号は青信号、つまり駅構内進入可能に。
恐らく対向列車が先に駅に入ってきていたため、対向列車が停車するまでこちら側は駅に入れないとかそういう仕組みになっていたのでしょう。
吉野川は渡りませんが、吉野川に注ぎ込む川は渡ります。
基本左側通行の日本の鉄道において、わざわざ右側へ。構内踏切の関係でしょうか。
四国一の清流とかなんとか書いてある穴吹駅。特急列車が停車するほか、徳島からの普通列車の半数はここで折り返します。
かつては貨物輸送も盛んだったらしく、構内は広いです。
確かに清流と言えるほど綺麗な川ですね。
全線で国道とも並走しており、線路が崖っぷちを走る場所はありません。
これは「長屋」でしょうか。地図で見ると「船戸団地」と書いてあります。全て1階建てですね。
普通列車同士で列車交換。1両編成ですがかなり新しい車両が投入されている徳島線です。特急用は古いですが。
平地が広がってきたので吉野川から離れます。離れると言っても見えなくなるだけで進む方向は同じです。
桜が植えられている「学」駅。この駅の入場券は駅名とあわせて「入学」と読める事から受験生に人気のある駅らしいです。似たような駅としては、和歌山県に「学門駅」「学文路駅」が存在しています。
ただ、駅前はソーラーパネルが設置される程度には土地が余ってるようです。
珍しく3番線まで存在する駅。徳島線では唯一なのだそうです。
待合室には古いものと新しいものの両方が。
住宅が増えてきたくらいでこいのぼりを発見。前に四国に来た3月上旬でもこいのぼりを見かけましたが、いつからいつまで出してるものなのでしょうか。
徳島線主要駅の一つ、鴨島駅。2面3線か4線のように見えますが、実質2面2線だそうです。
また別の駅。ホームに桜の花びらが。
正面に広がる山脈。その頂上部のみを通るように送電線があります。
当然自動改札なんてありませんが、どうやら有人駅のようです。
こちらも桜が綺麗な駅。徳島市に入りました。
少し高度を上げて渡るのは鮎喰川。
最後の地平駅、蔵元。特急停車駅です。
蔵元を出ると高架線になり、左から高徳線が近付いてきて終点佐古駅に到着します。
徳島線は佐古駅までですが、全列車が高徳線に入り、隣の徳島駅まで直通しています。
この区間は一見複線のように見えますが、実際には高徳線と徳島線のそれぞれの単線が並んでいるだけの単線並列となっています。そのため、2列車が同方向に並走するなんて光景も見る事が出来ます。
単線並列のため、信号機も高徳線用徳島線用と2セットあります。最後の最後でピンボケしてしまいましたが、車庫も併設されている徳島駅に到着です。
普通 徳島→海部
一息付く暇もなく隣に停車中の列車に乗り換え。ここの乗り換え時間も僅か2分とギリギリです。
左手に徳島運転所を見つつ出発進行。徳島の車両基地で、国鉄時代の車両からJRの最新車両まで配置されています。
この辺りも桜が綺麗です。
列車交換。徳島近郊ではあるものの、1両のワンマン列車です。
物凄く分かりやすい棒線化された駅。まるで一線スルーだったもののうち分岐側だけを残したかのような感じになっています。
その駅の近くにある青系の建物がたくさん集まった場所。病院と老人ホームとそういう系統のものが集まっているようです。
徳島以南は「牟岐線」という路線で、特急列車も4往復ほど走る路線なのですが、分岐器はスプリングポイントという速度が出せないタイプになっています。
桜、咲きまくりです。
車両は1500形。51は2009年に作られた車両です。
列車交換があってもなくても場内注意、出発停止。電子閉塞を採用しているためか駅に到着してから運転士がボタンを操作するため出発信号は青にならず、その手前にある信号は必ず黄色になっているため、駅進入時に必ず45km/hの制限がかかる状態になっています。まあ分岐器もありますし元々スピードは出せませんが。
ようやく車内が空いてきたので車内先頭付近。運転席は左半分のみですが、ワンマン運転中は柵で仕切られているため一番前に張り付く事は出来なくなっています。
こちらの駅ももう1線あったのでしょうね。
徳島県で最も長い川、那賀川。この辺りは河口に近いため、かなりの川幅があります。
さらにもう一つ小さい川を渡ると、阿南駅に到着。ここから先は列車本数が減ります。
出発進行。
農作業を行ってる人を発見。稲が植えられているところもあり、この日の夜の地元ニュースで早植えがどうのと紹介されていました。
進めば進むほど、人の気配がしなくなっていきます。
貨物用引込み線が残ってる駅。四国だけあり、お遍路さんもチラホラと見かけます。
あのー、ご老人方。そこ歩いていいんですか?
どんどん山奥という感じになってきました。いつの間にそんなに上ったのか、下り勾配が続きます。
棒線化されてる駅も多いです。
列車交換。かなり久しぶりな気がします。
臨時駅である田井ノ浜駅。砂浜に直接接続している駅で、海水浴シーズンのみ営業する臨時駅です。シーズン以外は営業していないため、普通列車を含む全列車が通過します。
やけに厳しい下り勾配だなと思っていると、25‰を表す勾配標が登場。なるほど、そりゃきついですわ。
山河内。桜が咲いています。
少しずつ暗くなってきた上に天気も悪くなってきました。
車両の留置も行われているなど、広い構内を持つ牟岐駅に到着。普通列車の折り返しがあり、特急「むろと」の終着駅であるなど、牟岐線の主要駅の一つです。
特急「むろと」は1本のみこの先終点の海部まで直通していますが、ここ牟岐駅からは普通列車扱いで運転されています。
駅舎側。ここにも京都鉄道博物館のポスターが貼られています。
出発進行。まだまだ海際の山の中を走ります。
ここから先は終点まで列車交換は不可能なほか、各駅のホームも短くなっています。
信号が出現し、海部川を渡れば間もなく終点です。
終点手前にはこのようなよく分からない構造物があります。これは元々山岳トンネルで山を貫いていたのですが、その山が周辺の宅地開発によって切り崩され、最終的にトンネルだけが残ってしまった、というものです。
意味不明というか役割不明なトンネルを抜ければ、終点海部駅です。うん、全然終点という感じはしませんがね。
海部駅からは阿佐海岸鉄道という第三セクター鉄道に接続しており、乗り換えのために高架駅であるにも関わらず構内踏切が設置されています。
阿佐海岸鉄道は牟岐線の末端区間、海部-甲浦間の阿佐東線を運営する鉄道会社です。阿佐東線は海部-宍喰-甲浦の3駅のみ、8.5kmの路線で、周辺環境と短距離路線のため常に赤字となっています。
元々は国鉄が建設していた阿佐線(牟岐-海部-甲浦-室戸-奈半利-後免)の一部で、このうち牟岐-海部間は先に開業し牟岐線に組み込まれました。そしてその他の区間は国鉄末期の財政悪化により工事が中断。そのうち、徳島県内の海部-甲浦間についてはほとんど完成していたために第三セクター鉄道を設立して路線を引き継ぎ、残り少しの工事を行って開業。阿佐海岸鉄道となりました。高知県側については後免-奈半利間は土佐くろしお鉄道によって開業。残る奈半利-甲浦間は手付かずの状態であり、路線バスが運行されています。
阿佐海岸鉄道 海部→甲浦
車両は元高千穂鉄道のもの。
阿佐海岸鉄道は開業時に2両を保有していましたが、うち1両が事故により廃車。超が付くほどの赤字のため新車を導入する事も出来ずにいたところ、ちょうど宮崎県の高千穂鉄道が廃線となりそこで使われていた車両を無償で譲り受ける事が出来ました。
車内はイルミネーションなどの飾りつけやテレビまで装備したまるでイベント用列車。無駄にキラキラと光っていました。
発車ベルも放送も何も無く唐突に扉が閉まり発車。駅を出るとすぐにトンネルです。
高架やトンネルが連続し、線形は非常に良くたぶん100km/hくらいなら出せます。また、海の見える区間も。
阿佐海岸鉄道で唯一の中間駅にして唯一の有人駅、宍喰駅。駅員に渡すものがあったのか、運転士がそれの準備の片手間にブレーキ操作を行っていたため、オーバーランしかける事態に。
指差しはともかく喚呼(「出発進行!」など)もありませんし、ATSが鳴っても確認扱い後のチャイムまですぐ消してしまいますし(通常は次の信号視認や停止まで鳴らす)……この運転士、大丈夫なんでしょうか。
やはり指差しも喚呼もなく出発。宍喰駅は阿佐海岸鉄道の本社がある駅で、車庫もこの駅に存在します。右側の建物が車庫です。
トンネルを抜けると間もなく終点の甲浦です。ただ、駅到着前のトンネル走行中にも前照灯消灯はどうなのでしょうか。確かに昼間は点灯義務は無いのですが、長大トンネルでは点灯は義務ですよ?
終点、甲浦に到着。線路はぷっつり途切れています。お得な乗車券なんかも無いので、運賃を直接運転士に手渡して下車。手袋してないし一言も喋らないしで、既に相当印象悪いです。
実は宍喰との間で県境を越えており、ここ甲浦は高知県の駅になります。高知で最東端の駅。ただ、なんでしょう……地の果て感が物凄いです。
ホームは高架上にあり、接続はこの階段のみとなっています。
階段を下りたところは海抜2.1m。観光マップなんてものもありますが、とりあえず公共交通だけでなんとかなる気がしません。
2016.04.05 483 posted by (C)めい
階段脇にある駅舎。と言っても、売店で乗車券も売ってるよ程度の簡易委託駅であり、改札があるわけでもないのでほとんど待合室みたいなものです。
ツバメ……ですかね? 鳥がやたら頻繁に出入りしていました。たぶんこの駅一番の利用者です。
ブラウン管でも入ってそうな古そうな謎n機械。売店の営業時間外のためか、こちらも電源は入っていませんでした。後ろのカレンダーは最新のものですので放置されてるというわけではないようですが。
時刻表や運賃表など。列車は大体1時間に1本運転されているようです。また、JRとの接続やJR各駅への運賃も書いてあります。
ホームを下から。本来はここから室戸を通って奈半利、後免、高知まで線路が繋がる予定だったんですがね。
駅舎は鳥がうるさく落ち着かないので車内で待つ事に。
阿佐海岸鉄道 甲浦→海部
折り返し時間は20分程度なのですが、まさかのアイドリングストップ。一切物音せず停車していて、まるで廃車になった車両に乗ってる気分でした。営業中の車両に乗ってそんな気分になるなんて中々ないですよ。
そして例の運転士さんは客席でご休憩中。まあ環境的にやる気も無くなりますよね。
特に見所があるわけでもないので帰りは座って移動。トンネルが多いので天井が無駄にまぶしいです。
再び県境を越えまして、徳島県最南端の駅、宍喰駅。
太平洋。この海を東に行けば、たぶん和歌山県の白浜あたりに着きます。
車内の座席は、背もたれに多少傾斜が付いたボックスシート。簡単な作りです。
先頭部はこんな風に前面展望が多少は楽しめる作りに。終点まで気付きませんでした。
また、こんなものも。何ですかねこれ。両替機?
トンネルを抜ければさっきと何も変わらない海部駅。とりあえずですね、この路線、潰れちゃってもいいんじゃないでしょうか。たぶんバスでなんとかなりますよ。
そんな事を思いつつ、再び手袋をしてない運転士に運賃を手渡して下車。
普通 海部→阿南
JRの車両へ。車両番号は1551、徳島からここまで乗ってきた車両がそのままここで待ち続けていたわけですね。
例のトンネルだけトンネル。解体するのも手間だからそのまま、とかそんなとこでしょうか。
同じ路線を通りそのまま徳島まで戻るので、帰りは座って帰ります。転換クロスシートで快適です。
席に座りながらカメラを構えるという横着。
運賃表は分かりやすい駅一覧ですよね。えーっと乗り換えまであと4駅ですか。
普通 阿南→徳島
日が暮れた頃に着いた阿南駅。2両編成の列車に乗り換えです。引き続き座って移動。
今日は2時起きでしたので、そろそろ眠いです。
約5時間ぶりの徳島駅。いやー戻ってきました戻ってきました。
今日の鉄道はここまで。改札を出ます。
思っていたよりかなり大きい駅です。
15分ほど歩いてホテルへ移動。途中、阿波踊りの練習でもしているのか、それっぽい音が聞こえてきました。
ホテルに、部屋に到着。あれ? これもしかしなくてもツインルームなんじゃないです? もしくは元ツイン。まあベッドの仕様を見る限り、基本的にシングルで使われてる部屋みたいですが。
何にせよ、一番安い部屋を選らんでこれなら満足ですね。部屋の大きさに比例してか、風呂も若干広かったですし。ただ、事前に調べて分かってはいましたが、古いホテルのため壁が薄く、隣の部屋のテレビの音や廊下を歩く足音も聞こえるほどで、音に敏感な私にはちょっと合わなかったかも知れません。眠ってしまえば関係ないのですが。
安定の晩飯を食べ、風呂に入り、22時頃就寝。20時間起きていたのでさすがに疲れました。