八木新宮バス旅

9月中旬というのは夏なのか秋なのか迷うところ。そんな微妙な季節に行ってまいりましたその他の旅です。
青春18きっぷは期間外なので置いとくとして、今回はなんと、鉄道メインではなく、バスがメインです。まさかのバス旅です。
今回乗るバスは「八木新宮特急バス」というもの。一部には有名な、一般路線バスとしては日本最長のバスです。特急バスと言っても高速道路を経由したりする事はなく、全線で一般道を通る立派な「一般路線バス」です。約167kmの間に166もの停留所があり、全線所要時間は6時間半。奈良県北部から奈良県を縦断し、和歌山県の端っこである新宮まで、1日3往復運行されています。
今回このバスを選んだ理由は、単に乗ってみたかったから、です。鉄道好きな私ですが、家族の車などで長時間ドライブするのも嫌いではないのです。免許は持ってないので自分で運転する事はありませんが。

それでは今回のルート。
まず出発点である奈良県の大和八木駅まで移動し、そこから特急バスに乗車。6時間半かけて海の近く、和歌山県は新宮まで行った後、鉄道にて三重県松阪までJR、松阪から近鉄で大阪へ戻ってくる、日帰りとなっています。
なお今回は、いわゆるお得になる切符の類を一切用いておりません。使えるものがなかった、と言うのが正しいです。そのため全行程で正規運賃を支払っています。いくらその他の旅と言っても相当珍しいです。
また、諸事情により思ったほど写真の枚数がなかったため、今回は本編1ページと編集後記1ページの計2ページのみとなっています。珍しい。

※写真はクリックで拡大できます。もしクリック出来ない場合は、前後の写真をクリックすると関連写真的な感じで拡大写真を見ることが出来ます。

目次

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今回の出発点は「なんば」の2駅隣、近鉄のターミナルの一つである大阪上本町駅。伊勢方面へ向かう「近鉄大阪線」の全一般列車と一部特急がここを始発終着としています。
この駅にて、大和八木駅までの切符をわざわざ券売機ではなく窓口で購入。近鉄はJRと同じように窓口でも乗車券のみの購入が可能で、さらに支払いにクレジットカードが使用出来るというのが大きなポイントです。こうする事でクレジットのポイントが付与されるため、少しでも「お得」にしようとしているのです。

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上本町には地上ホームと地下ホームがあり、大阪線の列車は一部特急を除き地上ホームに発着します。端には上本町終着の特急列車が停車中。二階建てのビスタカーも連結していますね。

近鉄急行 大阪上本町→大和八木

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ちょうど到着した折り返し急行大和八木行に乗車。ちなみに、早め早めに行動した結果、予定より30分も早くなっています。

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出発。ターミナル特有の多数のポイントを渡り、本線へと出ます。この先、基本的に座って移動します。近鉄は既に全線乗っているので。

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30分ほどで間もなく大和八木。特急とすれ違いです。

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終点八木に到着。ですが、列車は普通名張行と名を変え、継続運行されるようです。

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そして同じホームには名古屋行の特急が到着。「アーバンライナーnext」車両ですね。

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デッキ部は「アーバンライナーplus」車両より広めで、手すりも付いている様子。立つ時はこっちの方が楽そうですね(以前手すり無しのアーバンライナーplusで大阪名古屋間全線立っていた)。

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大和八木駅は高架の大阪線の下で橿原線が直交する立体交差駅となっており、当然その橿原線にも特急が運転されているのですが、何やらトラブルの様子。
救急隊が到着し、特急から誰かを運び出してる様子でした。これが運行情報で見る「急病人」ってやつですか。搬出が完了次第扉が閉じられ、特急は約5分遅れで発車していきました。

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そして8時過ぎという時間帯のためか、学生さんの姿がわんさかと。

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そんな学生たちと共に外へ。ふと上を見ると近鉄でのみ生き残ってる鮮魚列車がいました。

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南口にあるバス乗り場へ向かうと、新宮駅行専用の乗車口が設けられていました。2枚目、右上の方から左下を経由して右下まで線が描かれていますが、これが今から乗るバスの系統図です。

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さて、元々余裕のある予定だったにも関わらずさらに30分早く到着してしまったため、なんと出発まで1時間という事態になってしまいました。幸い乗り場にはベンチがあったので足が大変な事になったりはしませんでしたが、何かと暇。その間にもロータリーでは他のバスが行ったり来たり。

奈良交通 八木新宮特急バス 大和八木駅→新宮駅

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日に焼かれながら待つこと約1時間、新宮行の乗車口にも少しの列が出来始めた頃、ラッピングやカラーリングが特徴的なバスがやって来ました。お目当ての八木新宮バスです。

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出発5分前に乗り場に到着。整理券を取って乗車します。車両は最近更新されたらしく、2016年製とまだ3年目です。

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なおその更新によって、前方扉すぐ後ろによくある座席がなくなってしまっています。そのため、怒られるまで前に立つ事にしました。はいどうもアホです。10人程度の乗客を乗せ、出発です。

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主要地点までの所要時間はこの通り。終点までは6時間半かかります。これだけ長い路線ながら一般路線バスのためトイレはなく、その代わり画面にある途中3ヶ所にて休憩があります。

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しばらくは市街地を走ります。途中でちょいちょい乗降があり、大半が短区間利用の様子です。まあわざわざ新宮まで行く人は相当少ないでしょう。

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営業所ですかね。バスがたくさんです。

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御所市に入ります。まだ鉄道がある地区のため、駅もちょいちょい経由します。あまり乗降はありませんが。

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とりあえず向かうは五条です。

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隣を線路が走っています。この感じは、JR和歌山線ですね。

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1時間程度で五條バスセンターに到着。最初の休憩、約10分です。イオン直結のご様子。

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運転手含め、全員休憩で降りたので車内を撮影する事が出来ました。基本は一般路線バスですが、座席は全て前向きかつ背もたれが若干高いなど、ちゃんと長距離仕様にはなっています。カップホルダーも付いてますし。
そして3枚目の左側、普通のバスであれば座席がある場所ですが、こちらは荷物置きとなっています。というのも、6時間半もぶっ通しで走行するためか、なんとこのスペースに燃料タンクを設置しているのです。その関係で座席が撤去されてしまっています。どうせ車内に置くなら右側、運転席後ろでも良かったと思うのですが……前見る勢への対策という線も捨てきれません。

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車内設置の運行系統図。八木新宮線だけクッソ長いです。

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五條バスセンターで少しの乗客を拾って再び出発。五条駅を経由しますが、こちらでは乗降なし。

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ここから少しずつ山の中へ入っていきます。

バスセンターから約10分、病院を出るところで運転手に「これから山に入るから座っといて」と言われてしまいました。残念、私のかぶりつきはここで終わってしまった。

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そしてバスはがっつりしっかり山道へと入っていきます。と言っても国道なのでちゃんとした道ですが。

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ただ、あくまでもローカルの路線バスのため、バイパスではなく旧道を走る事も多いです。

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また、一般の乗用車に比べ比較的低速なため、登坂車線の他、バス停で乗降がなくても一時停車して後続車に道を譲る事が非常に多かったです。10回どころではなかったですね。

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完全に山の中。標高も上がってきたのか気温はなんと23℃。車内は短区間利用はいなくなり、長距離利用数名のみとなっています。

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割と急なカーブも多くなってきました。

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川? ダム?

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天川という文字。昔家族旅行で行った事があるので、思わず反応してしまいました。なおバスは右折するため、天川には行きません。

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なんか凄いとこを走っていきますね。

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水車小屋なるものを見つつまたもや旧道へ。道幅も狭いです。

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良い感じの景色だったので極彩色モードでパシャリ。

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八木新宮バス同士のすれ違い。途中3回ありますが、これは2回目。1回目と3回目はカメラが間に合いませんでした。

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なんか山肌が凄い事に。

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吊り橋も何回か見かけるようになってきました。

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奈良県最南端かつ、最大の村である十津川村が近付いてきました。ローカルの天気予報などで十津川の名は目にしますが、実際に来るのは初めてです。

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やたら高いところを走ります。

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八木から約3時間経過した12時過ぎ、上野地にて2回目の休憩。ちゃんと駐車場とトイレが完備されています。

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上野地では約20分の休憩。実はすぐ近くに観光名所があったりします。

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それは「谷瀬の吊り橋」と呼ばれるもの。色々と限定条件が付きますが、日本一の吊り橋です。なお限定条件なしでは兵庫県にある明石海峡大橋が世界一の吊り橋となっています。

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結構人気があるらしく、場合によっては一方通行規制となる事もあるそうです。戻りは有料臨時バスなんだとか。

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せっかくなのでちょっとだけ歩いてみる事に。恐怖心はありませんが、結構揺れます。

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このように真下も容易に見る事が出来ます。

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満足したので戻ります。時間も限られてますし。

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観光地らしく、周囲には店舗も。なお、バスに戻ると運転手さんが昼食を食べていました。なるほど、20分休憩というのはそういうのも兼ねてるんですね。

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再びバスに乗り、南へ南へと走ります。

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吊り橋から1時間ほどで、最後の休憩、十津川温泉。基本的に山の中を走り途中の乗降もほとんど無いので特筆する事がありません。前見られへんし。

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ここは奈良交通の営業所の様子。にしても、足湯だったり源泉の販売スタンドだったり、バスの営業所ってそういう場所なんでしょうか。いや別にいいですけども。

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営業所という事で、運転手さんは営業所内で休憩してる様子。10分の休憩の後、再度出発です。

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名前が気になった停留所。果ての無い隧道(=トンネル)ってめっちゃ怖いような。

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しばらく走ると熊野交通の営業範囲内に入ったためか、ローカルの輸送はそちらに任せ、こちらの奈良交通は停車しない事が多くなりました。ひたすらに山道を走ります。

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そして、大和八木から約6時間半、市街地に入って10分程度で終点が見えてきました。

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15:47、時間ぴったりに終点新宮駅停留所に到着。バス運賃5250円を現金で支払ってバスを降ります。

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踏切の音が聞こえたのでそっちに行ってみると、ちょうど名古屋方面からの紀勢本線普通列車が到着するところでした。

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さて、新宮駅に時間通りに到着し、後は鉄道で大阪へ帰るだけなのですが、乗り換え時間はなんと100分。列車本数が無さ過ぎてこんな事になっています。どうしましょ。

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紀勢本線全通60周年、紀伊勝浦〜新宮間は100周年だそうです。

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改札口。自動改札機なんてものはありませんが、特急停車駅限定でICカードICOCAには対応しており、端末が設置されています。
とりあえず、改札横にある窓口にて切符を購入します。当然クレジット払いです。

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かつて運行されていた381系という特急電車にあったパンダシートという座席が展示されていました。

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近くにあるオークワにでも行こうかとも思っていましたが、行ったところで仕方が無いので結局改札内にて待つ事に。改札のタイミングで駅員に「1時間以上ありますけど…」と言われてしまいました。まあ当然ですね。

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地下道を通り隣のホームへ。左には名古屋方面へ向かうJR東海の普通列車。右には大阪方面へ向かうJR西日本の普通列車が停車中でした。ここ数年でJR東海は新型車になり、JR西日本もそろそろ車両更新です。

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ホームにはベンチの他、水道も。SL時代には煙やススの汚れを洗うため多くの駅にあったらしいですが、最近は本当に見かけません。

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1500番台のトップナンバーである1501番車両を持つ編成が、名古屋方面へ向けて折り返し発車していきました。いやまあ、名古屋まで直通するのは特急だけですが。

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駅構内には側線群が広がっており、洗車機もあります。留置されてる車両は特急形が一本のみみたいです。

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名古屋からの特急「南紀」が到着。JR東海による気動車特急です。

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終点である紀伊勝浦へ向けて発車していきました。JR東海と西日本の境界であり、電化と非電化の境界でもある新宮駅を越えて直通している列車は、現在この「南紀」のみとなっています。

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続いて、JR西日本の電車特急「くろしお」が新大阪方面より終着。

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車両はかつて特急「サンダーバード」で使われていたものをちょこっとだけ改造したもの。つまりは中古です。

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こんな事をしていても軽く1時間以上暇なので、なんかもう最終的にボーっと雲を眺め始めました。結構動きが速いものです。

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新宮駅で購入した切符。松阪までの乗車券と自由席特急券です。そう、今回は珍しく特急に乗ります。普通列車でも帰れない事はないのですが18きっぷ期間外という事で普通列車限定という縛りがない事と、現在使用されてる車両が近いうちに置き換えられる計画が発表されており、じゃあ乗ってしまおうという感じで決定しました。名古屋方向は一番前が自由席というのも大きなポイントですね、指定席より安いので。

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名古屋方面より、新宮終着の普通列車が到着。

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それと接続する形で、紀伊田辺行の普通列車が発車していきました。

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さて、そろそろです。

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特急が紀伊勝浦で折り返して戻ってきました。

JR特急「南紀」 新宮→松阪

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JR東海の特急「(ワイドビュー)南紀」名古屋行です。

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自由席である先頭、その一番前の席に座ります。ワイドビューという名の通り、展望はバッチリです。

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出発してすぐに川を渡り、三重県に入ります。

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少しだけ海を見つつ、ダイナミックに山を越えていきます。

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途中で普通列車とすれ違い。

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しかしやがて日没となり、前は見えても暗闇ばかり、写真を撮る事など出来ない状態に。たまに寝落ちしつつ、松阪を目指します。

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新宮から約2時間、松阪に到着です。乗換のため下車します。

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切符を購入するため、一度外へ。

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改札に向かって左側がJR、右が近鉄の売り場となっています。ここからは近鉄に乗るため近鉄側で、クレジットカードを使うため再び窓口で乗車券のみを購入。
しかし改札及び改札内は両社で共用となっており、中間改札も基本的に設けられていません。

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JRの構内を通って近鉄のホームに到着すると、ちょうど大阪難波行の特急が出発するところでした。

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続いて、伊勢中川行のワンマン普通列車が到着。学生さんが多く乗り込んでいきました。

近鉄急行 松阪→大阪上本町

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その次の急行、大阪上本町行に乗車。少しばかりクロスシートを期待したのですが、やってきたのはL/Cカーのロングシート仕様でした。

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ロングシートだと座ってても特に楽でもないしなと、一番前へ。

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名古屋方面と大阪方面の分岐駅、伊勢中川に到着。多くの乗客が名古屋行の急行に乗り換え、こちらの列車はかなりガラガラになりました。
この先は三重県から奈良県、大阪と山越えが続くため、前を見てても暗闇しかないので座っておく事に。というか、眠いので少し寝てました。

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目を覚ますと山越え途中の榛原。どうやら特急の通過待ちのようです。

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残り少ないと言われてるパタパタ式じゃないですか。

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特急が通過。

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もうひと眠りして、路線バスの始発点である大和八木に戻ってきました。また、ここから乗車率が一気にアップ。大阪圏に入った事を感じます。

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松阪から約2時間。終点、大阪上本町に到着。15時間ぶりに戻ってきました。

この後、特に何事もなく予定通りの時間に帰宅しました。
おしまい。


編集後記→

 

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