2019年春季　福井

その1

2019年春の青春18きっぷの旅、3回目にして最後は福井です。
福井方面は元々、前回の北海道旅の中で訪れようと考えていたのです。到着港の敦賀港は福井県ですし、近くてちょうどいいかなと。ただ、JRはともかく福井県内の私鉄用のフリー切符に関しては、休日限定という制約がありまして。そしてフェリーの運航日の関係上、福井県に到着するのはどうしても月曜日になってしまうため、断念というか分断したわけです。青春18きっぷの残り1回分、つまり日帰りで行ける範囲が少なくなってきたというのもありますね。
ただ、ダイヤの関係上、普通に18きっぷだけで福井へ行くと、日が暮れるまでに予定範囲を全て回る事が出来ない事が判明しまして。少々悩んだ結果、特急列車を組み込む事を選択しました。しかも1駅間などというものではなく、大阪から福井までのがっつり区間です。特急乗ってるわ私鉄乗ってるわと、これ18きっぷ旅でいいのか若干疑問ですが、18きっぷも使い倒してるのでまあいいでしょう。たぶん。

それでは今回のルート。大阪からさっそく18きっぷでは乗れない特急に乗りまして、福井へひとっ飛び。福井から列車が出ている越美北線を往復して福井に戻って来まして、私鉄へ乗り換え。えちぜん鉄道で勝山、三国港と回り、田原町で福井鉄道に乗り換えて、福井駅前を経由しつつ終点越前武生まで。武生よりJRに戻り、敦賀を通りつつ大阪へ戻る、という感じになっております。
大阪から福井までの特急にはe5489のweb早特1という割引切符、福井県内の私鉄には共通フリーきっぷ、その他のJRにはいつもの青春18きっぷを使用しています。

※写真はクリックで拡大できます。もしクリック出来ない場合は、前後の写真をクリックすると関連写真的な感じで拡大写真を見ることが出来ます。

いつもの大阪駅ですが、利用どころか立ち入った事さえ数えるほどしかない11番線。特急専用ホームへ。

一番端のホームであり、ガラス越しに外も見えるようになっています。

特急の乗車口案内。

ホーム端。気温は12℃らしいです。

特急「サンダーバード」1号　大阪→福井

発車の約5分前、列車が入線。大阪と金沢を結ぶ特急「サンダーバード」の1号。つまり始発です。朝6時半にも関わらず3両増結した12両編成です。

サハという記号は電車においてモーター無し普通車という意味。ですが交直流電車のためか、パンタグラフは載っていました。パンタグラフは架線から電気を取り入れるためのものなので、モーター付き車両に搭載される事が多いのですが、車両の機器構成によってはモーターの無い車両に搭載されたりします。

車内はJRの特急普通車としては一般的なもの。ただし、車端の座席にはコンセントが付いていました。

トイレ等があるデッキ。車両間の貫通路に扉が無く、洗面所が付いてるのも普通列車との大きな違いですね。

6:30、普通列車と同時に出発。淀川を渡ります。次の新大阪駅停車前後で検札。

車内端っこにあったKawasakiと2010という文字。割と新しい方の車両だと思ってたのですが、それでも9年前ですか。
それでもさすが特急、かつモーター無しというべきか、スピードが出ていてもすんごい静かです。車の走っていない道路くらいですかね。
当然モーターの音は聞こえてきませんが、代わりと言うべきか、ブレーキの動作音は聞こえます。

途中新大阪、高槻に停車し、京都手前にある大きな車両基地。車窓からは特急形が多く見えます。

また、事業用車両や機関車の姿も見えます。

京都を出ましてトンネルを通り、まだ京都市内である山科を通過。

山科を通過すると、東海道本線から湖西線が分岐。まず普通列車用の線路が高架になります。

続いて特急、貨物列車用の線路が分岐。サンダーバードは湖西線を経由するため分岐した側の線路に入り、トンネルへ突入します。トンネル内にて、普通列車用の線路と合流。

トンネルに入ってる間に、自販機を撮り忘れていたのでパシャリ。簡単な飲料自動販売機はあるものの、車内販売はありません。

トンネルを抜けると滋賀県に入ります。

チラチラと見える琵琶湖や山を見つつ、高架の湖西線を進んでいきます。
湖西線は高速走行が可能なように作られた路線なのですが、特急は思ったほどスピードが出ていません。どうしたのでしょう。

途中、近江今津にて普通列車を追い越し。そしてここを通過した途端、スピードが上がりました。なるほど、普通列車が前にいたためにスピードが出せなかったのですね。
また、駅通過後車内放送にて「この後山間部を走行するため電波の繋がりにくい状態が続きます」という放送が入りました。トンネル連続区間終了予定時刻まで案内され、とても丁寧でした。

この景色は、そろそろ湖西線終了ですね。

向こうの山肌に北陸本線のものと思われる架線柱が見えます。こちらから北陸本線を発見するのは難しいですが、北陸本線側からは湖西線の高架がはっきりと見えます。

(参考)

前回の旅(約2週間前)にて通った北陸本線から見た湖西線の高架。現在、あの高架部分を走行しています。

北陸本線と合流し、合流駅である近江塩津を通過。湖西線と北陸本線を直通する列車は特急や貨物列車など通過主体の列車が多いため、合流駅にも関わらず湖西線敦賀方面行の線路にはホームがありません。

大阪方面行の線路が立体交差のために一時的に高架になったりしつつ、北陸本線の線路と合流。通常の複線となったところでまたも長いトンネルに突入します。あれは大阪行の特急サンダーバードですね。

トンネルを抜けると福井県に入り、新疋田を通過。今度は貨物列車とすれ違いました。

新疋田を通過しまして、大阪方面への線路がループで高度を稼ぐ中、敦賀方面のこちらは一直線に坂を駆け下ります。これからループ線へ突入する貨物列車とすれ違い。

上下線の間に車両基地が広がり、普通列車のほか除雪用機関車の姿も見えます。
そうして、滋賀県内には一切停車する事なく、福井県は敦賀駅に停車。

敦賀を出ると何やら工事をしていました。北陸新幹線関連でしょうか？

こちらは変電所に見えます。敦賀を出ると、トンネルの手前に設けられてるデッドセクションにて、直流から交流への切り替えが行われます。

またもサンダーバードとすれ違いまして、長さが13km以上もある北陸トンネルへと突入します。このトンネルは、開通当初は日本最長。条件付きでは、世界最長だった事もあるほど長いトンネルです。現在でも、線路幅や陸上という条件は付きますが、日本最長のトンネルの一つです。

北陸トンネルを過ぎると、北陸本線のトンネル連続地帯が終了。細かいトンネルを抜け、徐々に平地へと入っていきます。

日野川だそうです。桜が綺麗に咲いています。

川を渡ると鯖江に入ります。鯖江駅は特急停車駅ですが、サンダーバードは半数ほど通過します。この列車も通過です。

またなんか作ってますね。

降車駅が近付いたためデッキへ。9両編成の場合の車内案内シールが貼られていました。
サンダーバードはグリーン車1両、自由席3両で、9両編成でも12両編成でも残りは指定席となっています。

大阪から2時間、福井に到着。いやー快適でした。静かで快適すぎて、ボーっとしながら昔の友達とこんなふうに旅行したいなーでも出来ないんだろうなーとか思ったりするくらいには。

金沢へ向かう12両編成の特急を見送ります。

北陸本線敦賀以北では「サンダーバード」ともう一つ、「しらさぎ」という特急が利用できます。両者で乗客を分離しているのか、それぞれの色のテープが別方向に貼られていました。

同じホームの向かい側には金沢行普通列車が停車中。乗換先はこちらではありません。

同じホームのさらに先にある、行き止まり線路が乗換先。しかし、先発は回送となっています。という事は、停車中のこの列車ではないという事ですね。

向こう側のホームに特急が到着。色的に「しらさぎ」でしょう。遅れて、普通列車が同じホームに到着。

停車中の回送列車。31-1は恐らく平成31年1月に検査を受けた、という意味でしょう。3ヶ月しか経ってない出場ホヤホヤです。

向こう側に、今度は「サンダーバード」が到着。

ホーム下に書かれてたこちらは、ホームが出来た年月でしょう。15年も前なのですね。

こちらには大阪駅を30分後に出発した「サンダーバード」3号が到着。なぜか後ろ側の増結車両が「しらさぎ」色ですが。

20分ほど停車していた回送列車が発車。

それを待っていたと言わんばかりに引き上げ線にいた2両編成の気動車が到着。こちらが乗換先の列車です。発車の10分前入線なあたりは安定ですかね。

普通　福井→九頭竜湖

やってきたのは一番前まで行けるため大好きなキハ120という車両。ただ、リニューアル工事が行われたようですね。ライトが明るくなったり、手すりが大きくなったり増えたり。
それ以外に気になる点として、扉の半自動機能がボタン式になった事が挙げられます。リニューアル前は自動でない場合は手で開閉する手動式だったのですが、それがボタン式に変更になっています。また、半自動しか使わないためか、車掌スイッチの「自動」部分がシールでなかった事にされています。さらに、リニューアルに伴ってドアチャイム、開閉する時に音が鳴るようになったのですが、この音色がなぜかJR西日本標準のものでなく、JR東海標準のもの。ここの事情、すっごい気になります。JR東海に乗り入れるわけでもないのに。

お向かいさんのホームにはまたもサンダーバード。この特急、かなり運行本数が多いです。

サンダーバードが発車後、こちらも出発。左側はやはり工事しています。たぶん北陸新幹線関連です。

越美北線の列車ですが、実際に路線が分岐するのは1駅先。1駅間は北陸本線を走ります。

隣駅との間には、左側にJR西日本の車庫、右側にJR貨物の南福井駅があります。車庫には先ほどまで停車していた回送列車が、右側には電気機関車が見えます。

速度を落としてポイントを渡り、越前花堂に到着。駅の少し手前で分岐しており、分岐部は越前花堂駅構内ではなく、南福井駅の構内という扱いらしいです。
まあともかく、北陸本線から少々離れた専用ホームに到着。ここから越美北線となります。

非電化路線なため頭上もスッキリ。

沿線で何やら焼いてらっしゃいました。

明らかに島式1面2線であった駅。もう片方の線路がそのまま残っています。

何やら速度切換という文字が。はて、どういう意味なのでしょう。

こちらは簡単な棒線駅。なお、起終点含め、列車は駅に到着してもドアは自動で開かず、乗客が開ける必要があります。

川を渡り始めます。越美北線では2004年に起きた豪雨で橋がいくつも流された事があり、数年をかけて新しいものに架け替えられたそうです。

JR西日本ローカル線名物、必殺徐行。設定理由は色々ありますが、要するに保線費用をケチるためだそうです。

この構造物、結構好きです。

どんどん川を渡っていきます。

桜がいい感じです。

川沿いを走ったり渡ったりしながら進みます。

段々と山深くなってきました。

列車交換可能駅。しかし交換はありません。

スプリングポイント、ですか。

少し開けた場所にやってきました。

ここで信号登場。

途中主要駅である越前大野に到着。脇には除雪車も留置されています。

そして、ここまで2両編成で運転されてきた列車の分割作業が始まりました。

後ろ側の車両が切り離され、1両で折り返し福井行となるのです。

貫通幌、ブレーキ管等を手動で外した後、福井側の車両を少し動かして、連結器も切り離し。

再び線路に下り、ブレーキ管を所定の場所に収めて、切り離し作業完了です。

九頭竜湖行の車両。こちらは後藤ではなく金沢で、平成26年4月に検査を受けたっぽいですね。

越前大野駅のホームは島式1面で、駅舎とは構内踏切による連絡となっています。

ホームと構内踏切の交差部(?)になんか鐘が設置されておりました。また、国鉄時代のものと思われる駅名標も。

ホームの入り口に、手前が九頭竜湖行、奥が福井行という案内板が。まあ、同じホーム同じ線路に違う方向への車両が止まってるんですから、ややこしいですよね。

先に福井行が折り返し出発。

福井行は見るからにラッピング車でしたが、こちらも一応ラッピング車両みたいです。

その後こちらも出発。また速度切換と書いてあります。

遠くに山を見つつ九頭竜湖へ向けて走ります。
なお、案の定福井行と思って乗り間違えた外国人グループがいらっしゃいまして、運転士に相談し、次の駅で反対列車を待つよう指示されていました。ところで反対列車って、私の記憶が正しければこの列車が終点まで行って戻ってきたやつだったと思うんですけど……。

またまた川を渡っていきます。先ほどまでとは別の川です。

「うわの」だそうです。たまに見ますね、ああいうの。

こちらも咲いております。

そして、いよいよ九頭竜川を渡ります。

また必殺徐行ですね。踏切も簡素なものですし。

右側にダムっぽいものが見えます。また、上の方には道路っぽいものも見えます。

またも九頭竜川を渡りまして。

小さなトンネルを抜けると、越美北線開業から10年ちょい終着駅だった勝原に到着します。終着駅だっただけあり、それなりに広いです。

勝原を出ると、後年に建設された区間となり、一気に直線に、というか長大トンネルで山を貫く形に変わりました。駅間はほぼ直線のトンネルで、列車もスピードを上げる事が出来ます。まあ、レールの方はトンネル内でよく使われるロングレールではなく、通常の定尺レールでしたが。

1駅過ぎまして川を渡り、再び長大トンネルに突入します。

長大トンネルを抜け、もう一本短いトンネルを抜けると終点が見えてきました。

越美北線の終点、九頭竜湖に到着です。休日という事もあってか、鉄な方を中心にそれなりの人数が終点まで乗っていました。

ホームの先には引き上げ線が2本ある形になっています。錆的に使われてるのかだいぶ疑問ですが。

越美北線としての終点はここ九頭竜湖ですが、本来は越美線としてこの先、岐阜県に入り郡上八幡を経由し、美濃太田までを結ぶ計画でした。しかし、越美北線、越美南線は開業したものの、両者を繋ぐ県境部分は工事が中止され、全通はしないままとなっています。
今乗ってきた越美北線はJRの路線となっていますが、越美南線は三セク化され、長良川鉄道となっています。そちらは二週間ほど前に乗りました。