2016年夏季 大糸ばんえつ横浜

その1

今年の夏は行かないと言ったな、あれは嘘だ。
どうもこんにちは、私です。前回、今年の春に青春18きっぷ2枚も使ってしまったもので、今年はもう行かないと決めていたのですが、なぜか遠くの友達と遊ぶ事になりまして、結果として夏の18きっぷ旅が決定しました。何でこうなったのかは私にも分かりません。
とまあ、そういう前提があるわけでして、今回は半分くらいは一人旅ではありません。私一人だけならひゃっはーするのですが、複数人になると大人しくなるため、その辺りは写真が少なくなっています。いやまあ、普段が多すぎるだけな気もしますが。

さて、今回のルートです。
その友達との合流地は福島県の郡山なのですが、ただ単に郡山に行くのも面白くないので、無駄に遠回りをしております。
まず大阪から普通に東海道線を通りまして名古屋に。名古屋より中央線に入りまして、長野県の松本、白馬を通り、日本海の糸魚川に出ます。そこから日本海沿いに北上し、長岡で一泊。長岡より新潟へ至り、新潟よりSLばんえつ物語というSL列車に乗りまして、会津若松、普通に乗り換え郡山に。少し寄り道してから郡山で一泊。翌日友達と合流し、共に東北本線で東京へ。横浜で一泊した後、横浜みなとみらいを観光し、夕方頃解散。適当に時間を潰してから夜行快速で大垣へ飛び、再び日本海側に北上し、北近畿丹後鉄道という私鉄に乗ってから、大阪へ帰宅。というルートを予定していたのですが、なんやかんやとありまして、途中で変更になっております。その辺は後ほど。
久しぶりに5日という長旅なので体力が持つかどうか不安になりつつ、大荷物を抱えて行って参りました。

※写真はクリックで拡大できます。もしクリック出来ない場合は、前後の写真をクリックすると関連写真的な感じで拡大写真を見ることが出来ます。

目次

普通 大阪→京都

2016.07.30.2 010

始まりはいつもの大阪駅。今回は時間がないため、車両正面を撮る暇もなく、出発です。
翌日SL列車に乗るため、今回は土曜日に出発しているのですが、いつもの平日と違い、早朝から満席になるほど客が乗っています。夏休みの土日というのはこんなものなのでしょうか。

2016.07.30.2 012

日の出から少し経過したくらいの時間。都会が一番静かな時間かもしれません。

2016.07.30.2 014

大阪駅を出て最初に渡る川、淀川。ピンボケしてしまっていますが、綺麗でした。

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東京と大阪を結ぶ世界初の貨物「電車」、スーパーレールカーゴ。この時間の電車に乗ると、大体いつも見かけますね。

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JR西日本の吹田工場。古い車両が入場していますが、もしかして廃車になるのでしょうか。

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昔に比べ大幅に減った貨物列車ですが、大幹線では夜中を中心にまだまだ走っています。早朝は「夜中」の終わりでもあるため、特に多くの貨物列車を見かけます。

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朝日がまぶしいです。

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京都近くの車両基地。特急電車はまだまだお休み中です。

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お日さんがそこそこ高くなってきた頃、桂川を渡りまして、終点京都です。空港連絡特急の「はるか」はもうホームに入ってるんですね。

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乗り換え先のホームに来たものの、見えるのは向かい側ホームに停車中の元新快速用電車のみ。いつもなら既に入線してる頃なのですが。

普通 京都→米原

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少ししてようやくやってきました。今日は出庫が遅いですね。

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窓側を取れなかったほどの混雑。途中で降りていく人もそこそこいるため、少しずつマシにはなりますが、それでもかなりの人が乗っていました。土曜日すげぇ。

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まもなく米原。新幹線の高架、貨物列車のほか、JR東海の車両も見えます。

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線路横には研究所が並んでおり、新幹線の試作車両も展示されています。気温は24℃のようで、大阪よりは涼しいですね。大阪は連日熱帯夜なので。

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終点米原に到着。平日ダイヤだとこの列車は長浜行なのですが、休日は米原止まりだそうです。

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横には朝5時に金沢を出発した特急しらさぎが停車中。こちらも米原終着のようです。

特別快速 米原→名古屋

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北陸線ホームから東海道線ホームに移動しまして、JR東海の快速に乗車。今までは名古屋方面から出庫してきていたのですが、今回は大阪方面からやってきましたね。さっき米原到着前に見かけた車両って事になりますね。

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既に空席は無かったので前に立とうと思ったのですが、なんと先頭部天井にクモの巣が。巣だけならなんともないのですが、当然その巣の主も一緒なわけでして。虫嫌いな私にとっては最悪です。

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クモの動きに厳重警戒しつつ、しかし前に張り付いて出発。

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横に米原の車両基地を見つつ、高架で北陸本線を乗り越して、JR東海区間に入ります。

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米原を出てしばらくはなんてことのない区間が続きます。

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そのしばらくを過ぎると、トンネルとカーブの連続する山越え区間に。高度が上がってるのか、トンネルを多用している東海道新幹線を跨ぐ場所もあります。

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関ヶ原を出ると、東海道本線は二つに分かれます。一つは、旧来からの本線で、急勾配の存在する線路。もう一つは、その急勾配を緩和するため、少し遠回りをして坂を緩くした単線。
大垣〜関ヶ原間は名古屋から米原方面に向かって急な上り勾配になっており、蒸気機関車時代は補助機関車を連結する必要があるなど、手間と制限のかかる区間でした。時は戦時であり、物資の輸送も求められていた時代です。そこで、少し遠回りになるものの勾配を緩くし、ついでに線形も良くした登坂専用の線路を別途敷き、坂を上る事になる下りはそちらを本線とし、坂を下るだけの上り線は旧来の線路をそのまま使用。急勾配を登っていた旧下り線は撤去されました。
ただ、この区間には途中に垂井駅という駅があり、このままでは垂井駅に停車するのは上り列車だけになってしまいます。そこで、新しく作った登坂用の線路上の近い場所に新垂井駅を設置し、下り列車はそっちに停車させる事に。しかし、垂井駅と新垂井駅は直線で3kmも離れており、同一駅として扱うには無理があったのか、乗客は少なかったそうな。
そうした事情もあり、戦後すぐに、上り線に並行して垂井線と呼ばれる単線を併設し、上り下り双方の列車が垂井駅に停車出来るようになりました。
その後新垂井駅は廃止となり、普通列車は全て急勾配のある垂井駅経由で運転されるようになりました。ただ、垂井経由は線路規格が低くスピードが出せないため、貨物列車や特急列車など垂井駅に停車する必要のない下り列車は現在でも少し遠回りとなる登坂用線路を通っています。

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現在走ってる左の線路が昔から一貫しての上り本線、右側の線路が戦後併設された通称垂井線です。垂井線は、関ヶ原〜垂井間のみ上り下りどちらにも走れる単線扱いとなっているため、一見普通の複線のように見えて、結構ややこしい区間となっています。

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垂井駅を出てしばらくすると、上り線が高架に。下り本線と垂井線、それに美濃赤坂線が分岐する南荒尾信号場です。この高架で下り本線を跨ぎます。

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左端、斜めに走ってる線路が支線の通称美濃赤坂線、中央、この列車が走ってるのが上り本線、右が下り本線で、右端が垂井線です。

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それらの線路が全て合流し、単純な複線となって大垣へ向かいます。

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東京〜大垣で走る快速「ムーンライトながら」が留置中。ここで昼を過ごし、夜になるとまた東京へ向かい走ります。

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留置線上の新快速、行き止まりホームの美濃赤坂線列車、お隣の特急形車両を見つつ、大垣に到着。列車はここからようやく快速運転となります。

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大垣を出ると揖斐川、長良川、木曽川と木曽三川を渡り、愛知県に入ります。

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高山へ向かう特急「ひだ」、金沢へ向かう特急「しらさぎ」とすれ違い。横には名鉄電車も見えます。

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貨物駅や車庫を併設する稲沢駅。駅手前には立体交差があるのですが、そこを貨物列車が走ってるのを見るのは初めてですね。

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大きなビルが見えてくると、まもなく名古屋駅。
実は今回、ここ名古屋駅での乗り換え時間が、別ホームへの移動にも関わらず僅か3分となっており、大荷物を抱えてそんな短時間で移動出来るのかと、とても心配になっています。しかも、この列車の車掌さん妙にのんびりしていまして、岐阜駅の段階で20秒ほど遅れていました。運転士用時刻表を見ると、名古屋到着は12分45秒であり、乗り換え先の発車時刻は15分。実質2分しかありません。一応特急を使って追いかける用意もしてあるのですが、出来れば使いたくないですし……。

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やはり乗り換え先の列車は既に入線していますね。目的地はホーム3つ隣。果たして間に合うのか……。

臨時快速「ナイスホリデー木曽路」 名古屋→塩尻

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全力本気のマジダッシュしたところ、1分ちょいで辿り着けました。2500円余計にかからず済んでよかったです。息切れが治まるのに10分くらいかかりましたが。
さてこの列車ですが、上記の通り多客期にのみ運転される臨時快速です。と言っても、途中中津川までは定期列車であり、中津川から先、塩尻まで延長運転という形なのですが。普段名古屋から塩尻まで直通する快速・普通は存在せず、同じ時間帯に普通列車が走ってるわけでもないので、非常にありがたい列車です。

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特急形車両とすれ違いつつ出発。休日とは言え朝の名古屋だけあり、人がそこそこいるためベストポジションが確保出来ていません。

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新幹線もまだ発車したばかりのため、在来線とほぼ同じ速度で走っています。

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東海道本線をくぐって位置を入れ替えます。

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金山を出ると東海道本線と別れ、中央本線単独になります。

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高架と思ってたら掘削区間になったり。

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特急「しなの」用車両が留置中。

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「ゆとりーとライン」と書かれた隣接する高架。「ゆとりーとライン」とは名古屋ガイドウェイバスのことです。
ガイドウェイバスとは、専用の軌道(道路)上ではハンドル操作の不要な鉄道として、専用軌道以外では普通のバスとして走行可能な交通機関の事で、新交通システムの一つに分類されます。専用軌道を走行するため渋滞に巻き込まれる事がないほか、電車と違い電線なども必要ないため安価、というのは外国の話。日本では全線高架として整備したため、平地が基本な外国と比べて異常なほど高額となってしまい、さらにその停留所も写真の通り無駄に大規模であり、どう見てもバスの停留所ではありません。経営は大丈夫なのでしょうか……。

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次の停車駅、勝川駅もこれまた不思議な構造をしています。どう見ても島式2面4線の構造なのですが、中央2線は線路がなく路盤のみとなっており、運用上は単式2面2線という感じになっています。
これは、中央に東海交通事業の城北線が乗り入れる事が出来るように、というものらしいです。その城北線の勝川駅は少々離れた場所にあり、乗り入れ時期は未定とのこと。このよく分からない構造のまま何十年も過ぎそうな気がするのですが……。

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中線に回送列車が停車中。よく見ると10両編成ですね。名古屋地区のJR線では最長で、東海道線よりも長いです。

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左側に広がるのは神領車両区。中央線、関西線などの車両が配置されています。普通用の他、特急用車両の姿も見えます。

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高蔵寺駅。愛知環状鉄道と駅構内を共有しています。分岐している高架線が愛知環状鉄道のものですね。

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高蔵寺を出ると山色が濃くなってきます。

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上下線で微妙に位置が違うトンネルというのもあるあるですね。

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中線が黄色という事は、待避ですね。

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やってきたのは、こちらも臨時列車の特急「しなの」81号。名古屋駅で乗り換えに失敗した場合に乗るつもりだった列車です。定期列車は全て名古屋と長野を結んでいますが、こちらの臨時列車は長野へ向かわず、白馬発着となっています。

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出発信号が注意(黄色)に切り替わったところで発車。通過前に進行(青)になりました。

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上下線が離れる場所があったりするものの、普通の複線を走っていきます。

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恵那駅。ここより分岐する、元国鉄線の現三セク路線、明知鉄道明知線の車両が停車しています。

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少し塗装が違いますが、これも普通列車。ただ、数年前まで「セントラルライナー」という有料快速専用車両として使われていたもので、車内は少しだけ豪華です。

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保線用車両が駅の端っこに留置されているのは見かけますが、本線中で分岐したところに留置されてるのはまず見かけませんね。どういう場所なのでしょうかここは。

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またも上下線が離れてる区間。単線ではありません。

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中津川に到着。普段名古屋から中津川を越えて運転される普通列車はなく、この列車も普段は中津川止まりですが、今日は「ナイスホリデー木曽路」として塩尻まで直通となります。

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到着したところで電気機関車がやってくるのを発見。貨物列車かと思いましたが、まさかの重連単機(貨車を牽引せず機関車のみの列車かつ重連)でした。

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元「セントラルライナー」用車両を横に見つつ発車。

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中津川から先はさらに山の中を進んでいきます。

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上下線が妙に離れてるどころか、高さまで違う場所もよくあります。

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山の中の集落という感じで家が広がってます。

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トンネルから出てきたところの特急「しなの」。

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複線のまま何回も川を渡ります。

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トンネル、鉄橋、またトンネルというのもよく見ますね。

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やがて川を渡るのではなく、川に沿ってカーブの続く区間となります。名古屋方面へ向かう線路は山側をトンネルで通過しており、一見単線のように見えます。

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まさに山間という感じ。3枚目、奥に名古屋方面への線路があるのですが、分かりにくいですね。

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駅では名古屋方面の線路もトンネルから出てきます。そしてこの区間では臨時でしか存在しない「快速」のため、途中駅は通過。
中央本線のうち、中央西線の通称のある塩尻〜名古屋間はこれまで3回ほど通ったことがありますが、途中駅を通過するのは初めてです。

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駅を通過した先で、上下線が合流。ここから先は「単線に見える」ではなく、正真正銘単線みたいです。

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まだまだカーブが続きます。このような路線のため、特急用の車両は振り子装置というカーブを高速で通過出来る装置を搭載し、所要時間の短縮を図っています。普通、快速用の車両にはそんなものは存在しないため、「そんなに速くない」程度のスピードでカーブを抜けていきます。

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上り坂の途中にある駅。駅の部分だけ平坦になっており、前後は塩尻方面に向かって上り坂になっているのが分かります。

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車窓から見える川は木曽川。途中にはダムがいくつもあり、水力発電も行われています。2枚目は山側にある伊奈川ダムから送られてきた水で発電している伊奈川第一発電所。中部地方ですが、中部電力ではなく関西電力の発電所です。
木曽川の風景は売りの一つのようで、車内放送でも案内がありました。

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右側に使われていなさそうな行き止まりの線路が現れた後、本線から分岐。ここから再び複線です。

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前に列車はいないはずですが、減速信号。トンネルを抜けると中線場内注意となっています。通過列車待避ですかね。

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カーブを抜け、信号通り中線に到着。

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上松駅。予想通り特急列車が通過するようです。

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おや、柵の向こうに何かありますね。何でしょうかあれ。調べてみたところ、どうやら木曽森林鉄道の車両なのだそうです。
森林鉄道とは、かつて林業が盛んだった時代、森林から木材を運ぶために作られた鉄道のことで、狭い山の中を走っていたことから一般に線路幅が狭く小型の車両が使われていました。森林鉄道は日本全国にありましたが、トラックの性能が上がった事や林業が衰退した事などを受け、1975年に全廃となっています。
木曽森林鉄道は最盛期には路線延長400kmという規模を誇っていましたが、他の森林鉄道同様全廃。現在は一部の区間が遊歩道になっていたり、動態保存として復活した区間もあります。
ここに展示されている車両は、木曽森林鉄道の廃止後、名古屋の保育園で展示されていたのだとか。しかし2014年末に木曽に帰ってきて、ここで展示されているのだそうです。

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比較的高速で通過する特急「しなの」。「ナイスホリデー木曽路」が鈍行旅に便利なためか鉄な方が多く、写真の通りカメラを構えてる人が結構いました。私もその一人なわけですが。

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出発注意、出発進行と切り替わりまして、こちらも出発です。

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お隣の木曽福島駅。木曽町の代表駅で、特急停車駅となっています。名古屋行き「しなの」が停車中ですね。

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線路脇には蒸気機関車デゴイチが保存されていました。番号は「D51 775」。福井や糸魚川に所属した後、ここ木曽福島駅に存在した「木曽福島機関区」を最後に廃車となったそうです。

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単線になったり複線になったりしつつ進んでいきます。川が小さなものになってきていますね。

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ホームに「木曽路」の看板がある薮原駅。いい雰囲気の駅舎です。ところで「清酒」とあるという事は、木曽路はお酒なんですかね。

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少し長いトンネルを抜けると、またまた景色の案内放送が入りました。進行方向右側に見える川は奈良井川と言い、犀川、千曲川となって、最終的には信濃川として日本海に流れる川なのだそうです。先ほどまでの木曽川が太平洋側だったので、分水嶺を越えた事になりますね。

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同じ「奈良井」である奈良井駅にも停車します。

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奈良井川。まだまだ小さな川ですが、この水が最終的に日本海に注ぐというのですから面白いものです。

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鉄橋もトンネルも複線規格なのに、単線しか線路が敷かれていない区間。幹線だとたまに見かけますねこういうのは。

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いい天気です。

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複線区間で普通列車とすれ違い。この辺りは2両編成のワンマン列車が数時間に1本程度走っています。

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川から離れ、平地に複線が堂々と敷かれています。山越え区間は終わったようですね。

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しかし信号は黄色や赤色で、電車も速度を落とします。どうしたのでしょう。

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と思っていると、タンクを引いた貨物列車がやってきました。その後、右側へ行く信号が青に。この電車の進路が貨物列車に塞がれていたようです。

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その信号の根元に、JR東海と書かれた標識を発見。会社境界ですね。ここより手前がJR東海、奥はJR東日本の管轄です。

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予想通り、右側の線路へ。

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そして左にカーブして、停車。終点、塩尻に到着です。

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ホーム上に何かあると思ったら、どうやらぶどうのようですね。塩尻の売りの一つなのでしょうか。

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塩尻駅の駅名標。JR東海区間はオレンジ色になっているため分かりやすいです。
実はここ塩尻駅、中央本線の途中駅でありさらに篠ノ井線が分岐する分岐駅なのですが、配線が少々特殊な事になっています。この駅名標で説明すると、右下のオレンジ色が先ほど乗ってきた名古屋からの中央本線。そして右上が、その先東京方面への中央本線となっているのです。つまり、中央本線経由で名古屋方面と東京方面を直通する場合、方向転換(スイッチバック)が必要となっています。
昔はこのような方向転換は必要なく、少し規模が大きいだけの普通の中間駅だったのですが、名古屋と東京を中央線経由で直通する必要性は薄く、それよりも名古屋、東京双方から松本方面(篠ノ井線)への直通需要の方が大きかったのです。しかし、昔の配線のままでは、名古屋から来た列車が方向転換を強いられており、実際に特急「しなの」などは方向転換を行っていました。
そこで駅を移転し、東京名古屋双方から松本方面に方向転換無しで直通出来る配線に変更となりました。それが現在の塩尻駅です。旧本線はそのまま残されており、塩尻に停車しなければ方向転換無しで名古屋と東京を直通する事も一応可能になっています。が、駅移転後実際に東京方面と名古屋方面を直通した列車はたったの2本だけだそうです。

駅名標の右下が名古屋方面の中央本線、右上が東京方面の中央本線と言いましたが、残りはどうなのか。まず、左は松本・長野方面へ向かう篠ノ井線です。そして残る右中央ですが、こちらは中央本線の旧線となっています。中央本線東京方面は一部で経路を変更しており、旧線が支線として残されているのです。つまり、右三つは全て中央本線というよく分からない事になっていたりします。なんだこの駅。

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そんな構造のため、乗り換えも妙にややこしい事に。案内がしっかりしているので迷いはしませんが。

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新宿からの特急列車の見た目をした何かを発見。何ですかね。

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新宿発松本行の特急「あずさ」7号が到着、発車。

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お隣のホームには中央本線旧線、通称「辰野支線」からの列車が到着。

普通 塩尻→松本

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そして松本へ向かう甲府発の普通列車が到着です。最近長野地区には首都圏からの転入車や新車が入っており、より古い車両を置き換えています。

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出発。篠ノ井線に入ります。車内はかなり混雑していましたが、座席は確保出来たので座る事に。米原から塩尻までずっと立ちっ放しだったので、もう足が痛いです。

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座ってる場所から見えた「湘南ライン対応型」の文字。つまり湘南地区、もしくはその周辺で走っていたという事になりますね。

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南松本駅。貨物取り扱いがあり、石油の発着があります。

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まもなく松本駅。JR東海の車両とJR東日本の車両が仲良く留置されています。

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特急形車両なんかを見ながら、比較的左側のホームへ。右側(3枚目)には本来ここにはいないはずの車両も見えますが、臨時列車で入ってきたのでしょうか。調べてみたところ、大当たり。「踊り子」用の車両で運転される、横浜〜松本の臨時特急「はまかいじ」号が20分前に松本に到着していたようです。
ともあれ、松本に到着。前と同じ「まつもと〜〜〜」という自動放送を聞きつつ下車です。

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松本では2時間ほど暇があるため、その間、松本から出てる私鉄の往復でもしようと思ったのですが、その私鉄の切符がなんと駅から少し歩いたところにあるバスターミナルでしか売っていないという。そのため33℃の炎天下を歩いて、そのバスターミナルまで行き、一日乗車券を購入。

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買う物買ったらすぐ駅に戻ります。その私鉄、「松本電鉄」はJRと同じホームから出ているため、JRの改札を松本電鉄の一日乗車券を見せて通ります。

松本電鉄 松本→新島々

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JR松本駅の7番線に発着する、松本電鉄です。「3001」、トップナンバーですね。ところでこの車両どっかで見たような……。

2016.03.04 768(参考)

あーこれだ、四国松山の伊予鉄道と同じ、元京王電鉄3000系ですわ。他にも金沢、群馬、静岡などにも同じ車両が走ってるらしいです。一私鉄の車両なのに、活躍範囲広いですね。

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運転席後ろには終点新島々駅でのバス乗り換え情報が掲示されています。電車の切符をバスターミナルで発売していたりと、何かとバス中心な会社なのでしょうか。

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JRの施設の一部を使っているため、隣には普通にJRの電車が入ってきます。柵も中間改札も何もありません。

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出発進行。左にJRの車両基地を見つつ、右カーブしていきます。

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車両基地が終わり、踏切を挟むとすぐ西松本駅です。さすが地方私鉄、めっちゃ近いです。

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アップダウンの後に単式ホーム。電化はされているものの、複線にするほどの乗客はいないようです。

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中央本線でも見た奈良井川を渡ります。場内信号があるという事は、次は交換可能駅ですね。

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島式1面2線。ですが、交換は行わずそのまま発車。

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一部のレールは、若桜鉄道で見たような短尺レール。ジョイント音(ガタンゴトン音)が違うのですぐ気付きます。しかし、こんな直線にも関わらず最高速度は50km/h程度の模様。速くはないようです。

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場内警戒だったのが、しばらくすると進行に。対向列車が先に入った事で進路が開いたのでしょう。再度加速して駅に向かいます。

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新村駅。松本電鉄の車両基地がある駅のため、側線やレールも散らかっています。側線には古そうな車両や、除雪用と思われる車両も見えます。

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出発。ポイントは遠隔操作不要な発条転轍機(スプリングポイント)ですね。プラレールのように電車の車輪でレールを押しのけ、バネの力で元に戻る方式です。

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国道との並走区間。何の花でしょうか。

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またまた交換駅。松本電鉄はワンマン運転のため、ドアの開閉も運転士が行う事になっており、その運転士がドアの方向を間違えないように注意喚起の看板があります。
看板に加え、誤操作防止のためのスイッチカバーなども使っており、安全性は高いと思われます。

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そしてポイントはスプリング。

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「上高地線」という路線名だけあって高地に向かってるようで、終点に向かうほど標高が高くなってるように感じます。

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おや、この駅は右側通行ですか。珍しいですね。

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だんだん駅間距離が長くなり、山が近付いてきました。

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といったところで、終点のようです。終点や観光地などの主要箇所では車内の自動放送がなんと四ヶ国語になります。四ヶ国語放送なんて、関西空港内の連絡バスでしか聞いたことないですよ。

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終点、新島々駅に到着。かつてはここからもう一駅、島々駅まで線路が続いていたらしいのですが、その島々駅は利用者減少に台風による土砂災害がトドメとなって廃止されたそうです。

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新島々駅は鉄道駅というよりバスターミナルという面が大きく、鉄道との中継地という感じがします。ここより上高地方面へのバスが発着しており、改札口を通る前からバスごとに通路が色分けされているほどです。

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床の赤やオレンジ、緑、青などのラインを辿って行くと、各方面へのバス乗り場に辿り着くという仕組みになっています。電車に乗る側の改札は降車が完全に済んでからのようで、ご覧のように列が出来ていました。

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バスにも上高地とやらにも用事はないのでそのまま松本に戻ります。どうやら帰りは反対側に停車中の別の電車のようで、松本から乗ってきた電車は回送の表示になっていました。

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松本方面。右側の山肌に水の管理をしてるような施設が見えますが……。

松本電鉄 新島々→松本

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帰りの電車、なんか雰囲気違いますね。「なぎさTRAIN」とかいう札かかってますし、側面には女の子描かれていますし。
どうやらこの子は「渕東なぎさ」という、松本電鉄のマスコットキャラクターなのだそうです。渕東は新島々の隣の渕東駅、なぎさは西松本の隣の渚駅由来なのだとか。最初は「鉄道むすめ」かと思いましたが、そうではなく松本電鉄オリジナルで、絵も松本電鉄の社員が描いたそうです。ただ、「鉄道むすめ」とコラボレーションはしたみたいですが。

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側面。サボ(行先標)と方向幕の両方が使われています。

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車内。スピーカーっぽいものやパネルが積み込まれてる他、車内のあちこちにテレビモニターが設置され、上高地を含む観光地の案内が流れています。

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そして運賃箱周辺を飛行する黄色と黒色の小さな虫。あのー……蜂さんでよろしかったでしょうか? 結局その後見かける事はありませんでしたが。

さて、帰りは少しでも足を休ませるため、座って帰ります。

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物ぐさ太郎? どういう伝承なんですかそれ。

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30分ほどで戻ってきました。JR東日本の新型特急車両が見えます。

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線路の終端でもあるため、とてもゆっくりと、最徐行でホームに進入。松本駅に到着です。


その2→

 

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