2016年春季 四国一周前半

その1

旅記録3年目。毎年夏だけにしようと思っていたのになぜか春に行ってきてしまいましたが、まあ行ってきてしまったものは仕方ないです。

というわけで、気候的にも丁度いい春の旅、1回目は「四国一周前半」です。北海道、本州、九州は結構行きましたが、四国はまだ高知と高松に行っただけだったので、四国も一周してしまおうと思いまして。ついでに、狭い四国なんだから四国の鉄道全て乗り潰そうとなったのですが、そうするとかなり時間がかかるため、体力などを考慮し二回に分ける事にしました。今回はその前半ということになります。
前半ということで、四国のうち西半分を反時計回りで周ります。
具体的なルートは、大阪より山陽本線を西進し、岡山より瀬戸大橋を渡り四国へ。四国に入ったら予讃線で松山へ向かいここで一泊、松山の私鉄を乗り潰してからさらに予讃線を西へ進み、終点宇和島で一泊。宇和島より予土線で南下し、途中で分岐している私鉄に乗ってから土讃線で高知に入り、一泊。高知の私鉄を乗り潰してから土讃線、瀬戸大橋、山陽本線を通って大阪へ戻る、といった感じです。合計3泊4日となります。

観光などはほとんど入っていませんが、私鉄も乗り潰す関係でいつもより一つの都市にいる時間が長くなっているかと思います。特に路面電車が存在する松山と高知には。

※写真はクリックで拡大できます。もしクリック出来ない場合は、前後の写真をクリックすると関連写真的な感じで拡大写真を見ることが出来ます。

目次

普通 大阪→西明石

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いつも通りの大阪駅。春ですのでまだ真っ暗ですが、それでも乗客はそこそこいる不思議。客がいない時間帯にわざわざ電車運転したりもしないとは思いますけども。

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大阪を出るとすぐに淀川を渡ります。中央横一筋の光は同じく淀川を渡る道路橋、右側のちょっと多めの光が梅田周辺のビルです。朝は夜より光が少ないですね。

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途中3本の貨物列車に追い抜かれつつ、西明石駅に到着。複々線なので、追い抜きに当たって通過待ちという事はありません。

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時間帯的に出庫電車でしょう、普通姫路行が入線。まさかの223系+221系という編成でした。異車種が営業運転で連結する事は対応していれば可能ではありますが、JR西日本の近畿圏ではあまり多くはありません。最近になって増えましたが。

普通 西明石→姫路

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正面に行先が表示されているという事は更新車ですね。JR西日本が最初に作った電車のため製造から25年が経過しているため、順次体質改善工事が行われています。外観は便利になったのですが客を詰め込むために座席が削られていたりと微妙です。

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まだお月様が見えますが、結構明るくなってきました。ちなみに途中姫路までは、前回四国へ渡った時と同じ時間に動いています。西明石での明るさも同じくらいですね。

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大阪へ向かう快速列車が到着したり、貨物列車に追い抜かれたり。貨物列車通過の数分後、こちらも発車です。

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加古川。写真には撮れませんでしたが、日の出です。

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姫路駅手前の大きな川を通過。この春のダイヤ改正で開業予定の東姫路駅も通過です。
ちなみにこの川を渡る前に貨物の姫路駅が存在するのですが、そこに先ほど西明石で追い抜かれた貨物列車が停車していました。

普通 姫路→岡山

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姫路駅に到着。乗換時間が短い+編成も短い岡山方面行の接続列車に急いで乗り換えます。今回は残念ながら座れなかったので、空くまで立っている事に。学生が目立つので途中で降りてくれるでしょう。

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それにしても寒いなあ。そう思いつつボーっと外を見ていると、チラホラと宙を舞う白い結晶が。はい、まさかの雪です。大阪からそこそこ離れているので大阪と同じ気候ではないと思いますが、それでもそんなに降らない場所だとは思うのですが……。まあでも、納得の寒さです。

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しかし、寒ければ寒いほど、電車に乗ってしまうと逆に暑い。そんな現象に悩まされつつ、姫路を発車。右側を見ると見える大きなマンションのような建物は、廃線となった姫路モノレールの大将軍駅です。ビルの3階部分に線路、4階部分にホームがあるという構造になっています。ただ、姫路駅を出てすぐ見える事からも分かる通り姫路駅に非常に近く歩いても何の問題もない距離なので、開業から2年で営業休止になったそうです。現在は耐震の問題が浮上し、解体される予定です。

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網干駅。車庫があるため始終着となる列車も多い駅です。朝の時間帯ということで、大阪方面に発車するであろう電車が多数見受けられます。
ここで前述の学生のうち一部が降りたため席が空き、着席。相生までならともかく岡山までとなると席は確保しておきたいものです。

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元々はボックスシートとロングシート(二人掛け)だった部分を、座席だけ転換クロスシートに変更したものに座ります。確かに快適ですが窓はボックスシート時代のままなので、外を見たい場合はその辺りに気を付けなければいけません。窓に関しては元々は開閉可能でしたが、現在は不可能になっているものが多いです。開閉可能状態が残ってるものもありますが。
そんな魔改造列車で相生駅を通り過ぎ、新幹線、赤穂線と別れ、県境の山越え区間に入ります。

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上郡駅でこれまた学生が一気に下車。どうやら智頭急行線に乗り換えるようです。
智頭急行線は国鉄時代、建設工事を開始しながらも経営悪化によって工事が中止され、それを地元が引き継ぎ第三セクター方式で開業させた路線です。そのためホームが一続きになっているなどほぼJRの一路線のような状態になっており、実際にJRの特急列車が智頭急行線に直通しています。地元が引き継いだ際高速運転可能な路線とするよう計画が変更され、現在は大阪、岡山から鳥取への高速連絡ルートとなっています。

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山陽本線という、大幹線らしい山越え区間を走ります。この写真は線路がこの先で大きく右カーブしており、そのカーブ上に対向列車がいるのですが分かりにくいですね。

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貨物列車が中線に停車しているということは、通過待ちですかね。急勾配で速度が低下するのか、問題が発生したのか、貨物取り扱いでもしているのか、時間調整なのか。どういう理由なのでしょう。

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山を下り終え、川を越えれば後はほぼ平地です。

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「西川原・就実」と案内される岡山駅手前にある新しい駅。駅の建設費は駅前にある就実学園という学校法人が負担したため、駅名を決める際にJR西日本案の「西川原駅」と学園などが主張する「就実大前」のどちらにするか調整が難航したため、正式名称は「西川原駅」とし、放送を含む案内では「西川原・就実」となったそうです。
就実の読みが「しゅうじつ」なため、駅名を聞く度「終日?」とハテナマークが浮かびます。

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津山線の気動車と一緒に、ターミナル岡山に到着。列車は列車番号を変え三原まで走りますが、私はここで乗り換えです。

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四国行きの列車が発着するホームにやってきました。乗り換え時間が約8分なため既に目的の列車は入線していると思っていましたが、ホームにいるのは目的の快速ではなく特急列車。しかも発車時刻は過ぎています。
案内放送によると、新幹線が雪で遅れているため、岡山で新幹線から特急に乗り換える客を待っており、発車が遅れているとのこと。どうやら姫路だけでなく、日本全体的に冷え込んだ朝だったようですね。

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反対側を見ると先ほど一緒に岡山に到着した津山線の列車が停車中。よく見ると屋根などに雪が積もっていますね。中国山地は積もるほどの雪だったのでしょうか。

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約4分遅れで、岡山発松山行の特急「しおかぜ」が発車。今日の宿泊地へ向かう特急なので、これに乗れば早いのですが、当然青春18きっぷは使えませんので乗りません。
その左側に停車しているのは特急「やくも」ですね。ホーム的に岡山終着で車庫へ引き上げるものと思われます。この特急「やくも」はこの春、次回の旅で乗る予定です。

快速「マリンライナー」13号 岡山→坂出

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特急が出発して4分後、目的の快速マリンライナーが入線。マリンライナーは常に混んでるというイメージがあるのでどっと客が降りてくると思いきや、中は空っぽ。どうやら出庫電車だったようです。ラッキーですね。
この列車の四国側の先頭はグリーン車&普通車指定席となっているので、四国へ向かう際は大人しく中間車に乗り込みます。特に混むという事もなく、あっさり席確保。

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岡山終着の特急南風が若干遅れて到着し、それと入れ替わるようにマリンライナーが発車。慌しいですが、遅延はなく定刻発車です。

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四国の列車を紹介した車内広告。それまでアンパンマン列車というラッピングを施した特急列車を運行していましたが、この春のダイヤ改正でついにそれの電車バージョンが登場するようです。というのも、今までのアンパンマン列車は全て気動車だったもので、一部には全区間架線の下を走る気動車特急なんてものもありました。
ちなみに私はあまり乗りたくないですね、ノーマルバージョンでお願いします。

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岡山行の「しおかぜ」と列車交換。岡山〜瀬戸大橋〜高松には「瀬戸大橋線」の愛称が付けられていますが、この瀬戸大橋線、通過列車が結構多いにも関わらず本州側には単線が残っているのです。そのため、このように通過待ちが結構発生している他、ダイヤが乱れた場合は悲惨な事になります。
極力待ち時間が少なくなるようにダイヤが組まれているので、平時なら特にイライラなどは発生しませんがね。

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駅手前やホームから海が見えると、児島駅です。途中茶屋町からは「本四備讃線」という瀬戸大橋と一緒に作られた新規路線になっているため、直線主体の複線で高速運転が可能となっています。

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児島を出発し、「JR四国の乗務員に交代しました」という放送を聞きつつトンネルを通過すると、瀬戸大橋に入ります。相変わらず船の多い海です。

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瀬戸大橋も急カーブなどはなくほとんどの区間で高速走行が可能な線形なのですが、途中通過する島において、橋と民家が近いため騒音が問題になっており、騒音を抑えるべく減速を強いられています。そのため、線形の割には速くない、といった区間になってます。
確かに島へ出入りする部分は列車内でもうるさいなと思えるほどの騒音ですが、この瀬戸大橋、実は新幹線も一緒に通せるように作られています。設計最高速度は160km/h。騒音はどうなるのでしょうね。

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最近、特に土地の余ってる田舎でソーラーパネルの設置が進んでいますが、瀬戸大橋途中の島にも設置されてるんですね。

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島の近くにある、海抜のごく浅い部分。海底が透けて見えて、とても綺麗です。

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工業地帯が見え、車窓を邪魔するものがなくなると四国上陸です。坂出です。

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四国に入ってまず目にするのがこの重工業地帯。あの船はガスでも運ぶのでしょうか。

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岡山からの特急列車や各駅停車は瀬戸大橋から直進し、宇多津駅に到着しますが、快速マリンライナーは高松へ直通するため大きく左カーブを描きながら短絡線を通過するため、宇多津は通過扱いとなります。1枚目が瀬戸大橋側より短絡線を、2枚目が短絡線より瀬戸大橋側を見たものです。

普通 坂出→多度津

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坂出駅に到着。乗換時間に余裕がないため急いで階段を降り、琴平行に乗ります。おや、車両番号が1番ですね。

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JR四国の最新特急電車とすれ違い。現在量産中で、一部の列車にのみ使われており、この春のダイヤ改正で本格的に運用開始となります。先ほどの車内広告にも載ってましたね。

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高松方面から走ってくると、右カーブして瀬戸大橋を渡るか、左カーブして宇多津駅に到着するかという分岐部分にぶつかります。今回は宇多津駅へ行きます。

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宇多津駅には特急「南風」が停車中。この普通列車は「南風リレー」という愛称が付いており、その名の通り高松方面から「南風」に接続するための列車です。
ところでこの南風号、もしかしてさっき岡山駅で見たやつですかね? ていうかそうですよね、時間的に。

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一方正面からは、JR四国では珍しい113系電車が到着。この車両、中間車に乗務員用扉が付いてるように見えるのですが、車掌用ですかね?

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ほぼ同時刻、南風が発車。信号が変わるまで待ち、当方も発車です。

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宇多津を出ると左手正面にお城を発見。丸亀城ですね。現存天守、らしいです。

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多度津駅手前で、岡山へ向かう南風とすれ違い。こちらもアンパンマン列車ですか。

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一番左側のホームに停車。この列車はここから土讃線へ入るため、乗換です。

普通 多度津→伊予西条

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ここの乗換も時間がないため、列車正面は省略。予讃線は特急が走っているので途中駅で正面を撮る事も可能でしょう。
ところで、JR四国の車両形式はこの通り4桁の数字のみとなっています。これは国鉄JR式ではなく、どちらかと言うと大手私鉄などで採用されてる方式です。そのため、国鉄式の「クモハ」などの記号もなく、国鉄式のみの知識だけでは番号から車両の特性を得る事が出来ません。JR四国の車両特性的に近郊型などの区別も必要なさそうなので、そういうルールもなさそうです。なので、JR四国式に関しては覚える気はありません。
ちなみに、国鉄時代から引き継いでJR四国が使用している古い車両については、国鉄時代のままの形式となっています。

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そんな車両の車内。ボックスシートとロングシートを独特の形で組み合わせています。確かにこれなら、通路幅を確保しつつ長距離客用の席も確保出来ますね。

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赤信号のまま、先にここまで乗って来た琴平行が出発。

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やがて青信号に変わり、こちらも出発です。

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駅に停車してる最中から見えていた古い建物。給水塔ですね。
前に高知に行った時に見てはいますが、詳細は覚えていません。

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高知方面へ向かう土讃線が左にカーブしていくのを見守りつつ、予讃線は直進します。

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JRに入ってから作られた新しい車両で快適快適と思っていた矢先、いきなり注意信号。どうやら普通列車同士の交換のようです。

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交換は相手が待っていてくれていたため難なく終了。出発してしばらくすると、海に出ました。

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海岸線に沿ってカーブ。いきなり気持ちのいい区間を走りますね。

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駅と言っていいのか微妙な駅を通過。普通列車なのに通過? と思いますが、ここは臨時駅なのです。
臨時駅とは、ある特定の期間のみ営業する駅で、それ以外の期間は営業しておらず、各駅停車を含め全ての列車が通過扱いとなります。営業日数が少ないため、駅の設備も簡素なものが多いです。
ここ、津島ノ宮駅は、近くの津島ノ宮(津嶋神社)の夏の祭りの時のみ営業する駅で、具体的には8月4日と5日の2日間のみの営業となります。その2日以外は営業していないため、全ての列車が通過します。

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これが津嶋神社。小さな島にある神社で、子供の守り神だそうです。島には橋が架かっていますが、この橋も夏の祭りがある8月4日、5日以外は通行禁止となり、踏み板も外されてしまいます。島にあるのは本殿だけで、社務所などその他のものは四国本島側にあるそうです。

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注意信号による制限を受けつつ、待避線に到着。

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到着から1分ほどで、岡山方面行の特急列車が通過。ノーマル車1両挟んではいますが、またアンパンマン列車ですね。

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「ようこそ三豊市へ」と書かれた看板。左の方には「うどん県みとよ市」とあります。うどん県に関しては前々から「うーん」と思っていますが、みとよ市とひらがなにすると同じレベルに見えてしまうのが不思議です。うーん。

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まあ元から興味ないのでどうでもいいんですけどね。出発です。予讃線は特急列車が最高130km/hで走行するため、線形設備ともに非常にいいです。この通り一直線です。

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日本の鉄道は通常左側通行なのですが、ここではなぜか右側に入って対向列車を待つ事に。なぜでしょう、構内踏切と関係があったりするのでしょうか。

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対向の普通列車が到着。線路が空いたので、発車です。

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島式ホームの右側、2番線に到着。予讃線の主要駅の一つ、観音寺駅です。

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特急の待避を行います。というわけで乗ってる普通列車の正面を。

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自動改札機などはなく、有人改札です。

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右側に、松山行の特急しおかぜが停車。もしかしてさっきの駅で右側に入ったのは、対向列車を左側の待避線に入れて、このしおかぜを待避するためだったんじゃないでしょうか。時間的にピッタリですし。
そんなしおかぜが先に発車していきます。

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続いてこちら普通列車も発車。1枚目は信号の点滅周期とカメラの周期が合ってしまい消灯してるように見えますが、ちゃんと点灯しています。

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今は使われていないであろうホームや線路が残ってる駅も、チラホラ見かけます。

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再び海辺。鉄道も車道も海辺に追いやられるほど山が迫ってる、と考えていいのでしょうか。

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普通列車と列車交換。今回は古いタイプのものですね。

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ついでに駅舎も古いですね。古いというか貨車ですねこれ、貨車改造の駅舎ですね。もちろん無人駅ですが、ここ箕浦駅が香川県の最西端かつ最南端の駅だそうです。

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箕浦を出ると、県境をまたぐ小さなトンネルが出てきます。実は予讃線の起点の高松から見て、最初のトンネルになります。
トンネルというものは断面積が小さいほど工事が安く簡単になるので、出来るだけ小さく作られます。しかし、非電化車両に合わせたギリギリのトンネルにしてしまうと、その路線を電化する場合に、架線を張るスペースやパンタグラフの高さが合わなくなってしまい、そのままではトンネルを通過する事が出来なくなります。そういう場合は、地盤を掘り下げたり、新しく大きいトンネルを掘ったりといった改修工事が必要になってきます。
が、中にはトンネルの改修を行わず、電車を小さくして対応してしまう場合もあります。そんな路線の一つがここ、予讃線です。
トンネルが小さいまま電化した路線として有名なものは他に中央本線や身延線(富士山近く)などがありますが、ここのものはそれらよりさらに小さいものとなっています。そのため、身延線などの小さなトンネルに対応した電車でさえ、予讃線のトンネルは通過出来ません。つまり、JR四国以外の電車は大体が通過不可能となっており、特別な対策を施した車両以外は愛媛県に入れません。JR四国の電車はほぼ全て対応していますが、「マリンライナー」用の車両はJR西日本のものと同一仕様のため、通過出来ません。

そんな小さなトンネルを通過。トンネルが小さい事と関係あると思われますが、架線が2組に増えてますね。

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愛媛県に入りまして、待避線へ。特急列車も普通列車も多い上にほとんどの区間が単線なので、待避が多いです。

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特急しおかぜ、岡山方面行ですね。正確には、岡山行の「しおかぜ」と、高松行の「いしづち」を連結しています。

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大きな山脈です。幹線と言うとあの山を越えていくイメージですが、予讃線は松山近郊までは長大トンネルや急勾配区間は存在しません。従って、あの山は迂回します。

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伊予三島駅の貨物ホーム。コンテナが大量です。

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おや、綺麗な花が咲いてますね。植物は全く分からないので何の花かは分かりませんが、この日は3月の頭ですので桃の花ですかね? 桃の節句だけに。

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小さい駅も多く、このようにホームの端がスロープになって直接出入りするだけの駅もあります。

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いやーのどかですねー。落ち着きます、なぜか。

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川を渡る時はカメラを向ける事が多いのですが、ちょうど支柱などが写り込むタイミングでシャッターを切ってしまう事が結構よくあります。

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本線にホームがなく、待避線にのみホームがあるタイプの駅。新幹線では安全確保のためこの形が標準となっているのですが(もちろん複線なので駅には計4組の線路がある)、在来線では珍しいですね。珍しいだけで、そういう「新幹線型」と呼ばれる駅はチラホラあります。

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どうやら待避はないようなのですぐ青信号に。そしてやはり特別小さいトンネルへ。

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少しだけ「山間」という雰囲気です。実際にはこの向こうはすぐ海なのですが。

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JR四国の保線用機械。バラスト(線路の砂利)を運ぶホッパ車ですかね。

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よく見るとハンドルやレバーが付いています。ホッパ車は上から荷物を入れ、取り出す時は下の取り出し口を開いて下に落とす構造になっているので、その取り出し口の開閉部分操作のためのものでしょう。

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新居浜駅にて行き違い待ち。ここも貨物取り扱いがあるようで、トラックにコンテナを積んだりしています。

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岡山方面行の特急しおかぜが到着。一体これで何本目でしょうか。

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左側の信号機の下に点灯している標識か何かがあるのですが、これは一体何なのでしょうか。赤信号でも点灯し続ける場合があるので、単純に考えて進路が開通してる事を示すものと思われますが。

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右側に、大きな門やクレーンがチラホラと見えてきました。門のように見えるものも、実は巨大なクレーンです。

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チラッと見えたところで、一旦の下車駅に到着しました。下車理由が車窓から見えています。

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同じホームにはこのまま先へ進む普通松山行が、逆側には高松行が停車中。普段ならこのまま松山行に乗るところですが、今回はここ伊予西条駅で出場です。

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駅舎内(改札外)にはセブンイレブンが入っています。最近鉄道駅の売店もコンビニが増えてきましたね。それも自社ブランドではなくセブンイレブンやファミリーマートなど外部のものが。

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その横にあるのは……何て言ったらいいんですかねこれ。まあ、アレです、見たとおりです。現在は上り下りともに普通列車の改札を行ってるようです。

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駅正面。最近整備された感じですが、駅舎は少し歴史がありそうです。

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お隣には何だか色々並んでいます。右のは交番ですね。

四国鉄道文化館

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そしてこちらが下車した目的、「四国鉄道文化館」です。その名の通り鉄道博物館系のものですね。2007年と比較的最近出来たもので、四国で唯一の鉄道博物館です。
北館と南館の二つがあり、まずこちら北館へ。北館は珍しく土足禁止となっており、入り口にある下駄箱からスリッパを取り出し、代わりに靴を入れます。ちなみに扉や鍵などはありません。
券売機で入場券(300円)を購入し、中へ。

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中に入ると、まずこの2両が目に入ります。というか、この2両が北館の半分以上を占めています。
左はご存知初代新幹線、0系電車。ただしスペースの関係からか、約半分ほどの長さにカットされています。
右はDF50形というディーゼル機関車。日本全国で活躍しましたが、出力不足に悩まされ、後継機のDD51が登場すると次第に廃車となり、最後は四国のみで走っていました。こちらはJR四国の工場に保存されていたトップナンバー(1号機)です。

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現在四国に新幹線は走っておらず、走る気配すらありませんが、「新幹線の父」と呼ばれる十河信二氏の出身地がここ西条(生まれは新居浜市、高校は西条市)ということで縁があります。
この北館の隣には十河氏の記念館があります。

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まあそんな人はぶっちゃけどうでもいいのでスルーしておきまして、車両行きましょう。新幹線の方には子供連れが向かったため、まず機関車の方へ。
機関車の所属を表す区名札が、なぜか二枚ほど差さって「高知」と読めてしまいますね。基本的には区名札は一枚のみ差し込むものなのですが。ちなみに「高=高松」「知=高知」の所属、という意味です。

その上にある銀色の棒は、タブレットキャッチャーというやつですね。あ、例の通り長いので、最後に要約を書きますので読み飛ばしてもらって結構です。
鉄道は設定した一つの区間内には一つの列車しか入る事が出来ない「閉塞」というシステムで衝突を避け安全を確保していますが、その閉塞を確保する方法の一つにタブレットがあります。これは、設定した区間に入るためには通行票の「タブレット」が必要となる方式で、タブレットは通常、駅に設置されている機械に収納されています。列車を通す際にはこの機械からタブレットを取り出すのですが、機械の仕組み上、タブレットを一つ取り出すと、それを発駅か着駅の機械に戻さない限り、次のタブレットを取り出す事が出来ません。一つの区間に一つのタブレットだけが存在するようにすること、そしてタブレットを持たない列車は発車出来ないとすることで、閉塞を実現しています。
そのタブレットは基本的に薄く丸い鉄板で、それを専用のカバンに入れて持ち運んでいます。

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扉に引っかかっている、丸い輪っかのものが専用のカバンです。
実際の運用では、列車が駅に到着すると前駅からのタブレットを駅員に渡し、次駅へ行くためのタブレットを受け取ります。これをタブレット交換と言います。停車列車の場合は停車して駅員と受け渡しを行えばいいのですが、通過列車の場合はそうもいかず、出来る限り速度を落とさずタブレット交換を行いたいです。しかし、減速するとは言え数十キロもの速度で走る鉄道車両へタブレットを投げ渡すなんて事は当然出来ません。
そこで考え出されたのがタブレットキャッチャーです。
列車が通過する場合は、駅に通票受器(専用のタブレット受け取り台)と、通票授器(受け渡し台)が設置されます。通過列車の運転士はタブレット受け取り台(らせん状の棒)へ前駅からのタブレットを引っ掛け、受け渡し台から次駅へのタブレットをかっさらうように拾い上げます。こうする事で停車せずにタブレット交換が可能となります。
このうち、次駅へのタブレットを拾い上げる部分を自動化したのが、タブレットキャッチャーです。そのままの名称でしょう? タブレットは写真の通り輪の付いたカバンに入っているため、フック付きの棒でもあれば簡単に自動回収が可能となるのです。

つまり、タブレットキャッチャーとは、次駅への区間の通行許可証(=タブレット)を、通過しながら自動で回収するためのものなのです。旅客駅は基本的に通過する貨物列車を牽引する機関車には必須の装備と言えますね。

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間近でタブレットキャッチャーを見れた事に若干感動しつつ、狭い扉から運転室内へ。内部はまさに国鉄の機関車の運転台といった感じです。JRの機関車は入った事ないので違いは分かりませんけど。

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運転席に着席。相変わらず色々スイッチが付いてますが、計器はなんだか少なく感じますね。

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左は運転士用の時刻表。浅海を22:26に出発し、大西、波止浜に停車し、壬生川に23:39に到着するようです。えらい夜遅く、それも運転区間が短いですね。と言っても50分ほどかかっていますが。
右はATSとEBのスイッチですね。両方とも列車の安全運行に欠かせない保安システムです。これを「切」状態にしたまま走行すると、鉄道会社のサイトにお詫びが載ったり、ニュースになったりします。

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その他色々。1枚目はEB解除か何かのスイッチ、2枚目は押すとヘッドライトが点灯するらしいです。3枚目は正面中央の貫通扉ですね、あけてはいけないようです。4枚目は助士席からの眺め。

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運転席から身を乗り出した感じ。正確にはカメラだけ出してみました。タブレット交換をする際はもっと身を乗り出したりもしていたみたいです。

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こちらは助士席から身を乗り出して後ろを見てみた感じ。0系が見えますね。

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最後に機械室。さすがに機械室は開放されていなかったので窓越しに。
この機関車はディーゼルエンジンで発電機を駆動し、そうして発生した直流電流でモーターを回して車輪を駆動する「電気式」と呼ばれるタイプなので、機械室にはエンジンとモーター、そしてそれらを制御する機械があります。
ディーゼルエンジンで直接車輪を駆動すればいいじゃないと思う方もいると思いますが、簡単に言えばまだそういう技術が確立されていない頃だったので、技術が確立されている電気式を採用しているのです。
ちなみにJR貨物の最新機関車も電気式を採用しています。これは、昔に比べてモーター技術などがより発達し、大出力化が容易などの理由によるものです。

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ディーゼル機関車の車両後部には音の出る機械と、夏に使う冷風機(?)が置かれています。

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その横には軌道自転車が。おもちゃみたいですがちゃんとした保線用機械です。どうやら温かい時期の日曜日などはこの軌道自転車の運転体験が出来るようです。
この軌道自転車に乗れるイベントは割とあちこちでやってますので、いつかは乗ってみたいですね。道路を走る通常の自転車とどのくらい違うのか。

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ディーゼル機関車の助士席側。まさにキャッチしたように、タブレットキャッチャーにタブレットが引っかかっています。

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電車の動力源である電気を架線から取り入れるために電車の屋根に付いている「パンタグラフ」の展示。右が国鉄時代によく使われていた一般的なもので、左がその後小型化を図った「下枠交差式」というものです。最新のものは、この下枠交差式のうち片方の支柱を取り外し、「く」の字形の支柱一本のみで支える「シングルアーム式」となっています。

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スイッチを押すと、信号が点くようです。スイッチがスイッチなので、通常ならありえない全色点灯も可能です。
これ点けた状態で機関車に乗り込んだらよかったですね。

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小さくシンプルな鉄道模型。HOゲージでしょうか? 先ほど乗り込んだDF50形ディーゼル機関車が客車を引いて走っています。

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ではいよいよ新幹線へ。後ろから失礼します。

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カットされている事もあり、客室部分は短いですね。テレビ、エアコン、その他色々取り付けられています。車窓はディーゼル機関車。

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灰皿が時代を感じさせますね。新幹線は優等列車という事で今でも喫煙可能な車両が残ってはいますが、最新車両は全面禁煙となっています。

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扉付近の標識やスイッチなど。
左は自由席か指定席かを表す札。実は両面に文字が書いてあり、くるっとひっくり返す事が出来ます。
右は客室とデッキを仕切る扉を自動にするか手動にするか、というスイッチですね。

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そして運転室へ。こちらも出入り口付近は非常に狭く、さらに運転台が高い位置にあるので大きな段差もあります。運転席の後ろにも様々な機械が並んでいるようです。
車両番号のプレートもここに。21形の141号車のようですね。「0系新幹線」と言いますが、実際には21形とか15形とか色々とあります。

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これが運転台。左の方には運転士が座るため、電車を動かすレバーが。右のほうには機械の動きを細かく制御するスイッチ類がまとめられています。速度計の電源、ATCの電源、パンタグラフの操作など、色々あります。

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運転席の左側にあるのは、無線機ですね。「構内無線呼出名称」というプレートが貼られています。「かんせん にし れっしゃ」というのは在来線でもたまに見かけますね。

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そしてこれが運転席からの眺め。下のほうとか一切見えないので、主に遠くを見ていたのでしょう。視線移動を少なくするようにだったと思いますが、速度計が二つ付いています。新幹線は200km/h以上ものスピードが出るため、通常の丸い速度計ではなく、横に長い一直線で、針も横に動くタイプの速度計が使われています。これは0系だけでなく、100系以降の新幹線にも形を少しずつ変えながらも採用されています。

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運転台上だけでなく、その下足元にも機械が色々と。ていうか電話一体いくつあるんですか。

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「さわらないで」と書かれたレバーが2本。場所的に、手動でワイパーを動かせるとか、そういうところでしょうか。

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運転台を適当にアップで。どうやらこの車両は最後は4両編成で使われていたようですね。
4両編成というと、山陽新幹線での末期運用ですね。短い短いこだま号です。0系や100系がいた時代は4両や6両のこだまが走っていましたが、現在は最短8両となっています。

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横の窓枠にカメラを載せて。ところで220km/hで走行中に窓開けたらどうなるんでしょうね。

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最後、方向幕設定機ですかね。表を見ながら表示したい番号にダイヤルを合わせて起動スイッチを押すと、側面にある方向幕(こだま|新大阪 みたいに書いてあるやつ)がくるくると回り、設定したものに切り替わるようになってます。これは在来線と同じ仕組みですね。

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壁面に展示されている、様々な方向板、ヘッドマークなど。「しおかぜ」「南風」に至っては3種類もあります。

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北館は平屋建てですが、端っこに展望デッキがあり、このように見下ろすことが出来ます。ちなみに各車両の下にレールがありますが、このうち右側のレールは伊予西条駅と、つまり営業線と繋がっています。そのため、車両を出し入れする事も出来ます。

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また、この展望デッキは伊予西条駅に面した場所にあり、予讃線を走る列車を見る事が出来ます。そしてついでのように伊予西条駅の古い駅名標が置かれています。

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そういえば、支柱はアーチを描いて屋根を支えていますねこの建物。不思議です。

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以上、北館でした。なんか宝くじがどうたらとかいう看板が付いています。

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そして外に出てから腕木式という古い信号機を発見。

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続いて線路を挟んだ南側にある南館へ向かうため、歩道橋を渡ります。この歩道橋、最近整備されたもののようで、なんとエレベーター付きです。ベビーカーの移動とか楽そうですね。
渡ってる最中にちょうど松山方面から電車が入ってきました。

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こちらは高松方。左が伊予西条駅の側線、右が南館です。見て分かる通り、南館も線路が営業線と繋がっています。

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歩道橋を下りて、駅南側から列車を撮影。よく見ると「石鎚山登山下車駅」という看板がありますね。

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そして側線脇にはレンガ造りの建物が。「注水厳禁」「火気厳禁」「立入禁止」と書いてあります。

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さて、南館です。まず屋外に展示されているのがこちら、フリーゲージトレインの試験車両。これもある意味新幹線ですね。
フリーゲージトレインとは、線路幅が違う路線を直通運転するための車両で、日本語でいうと軌間(意味:線路幅)可変電車と言います。
現在のJRでは、在来線は1067mmの狭軌、新幹線は1435mmの標準軌という二種類の軌間を採用しています。これは、国土が狭く、山も多いため急カーブが多い日本に最初に鉄道を引く際に狭軌を採用し、以降在来線はそれに合わせ狭軌を。一方高速運転を行うため安定性を確保したい新幹線はそれより若干広い標準軌を採用しました。新幹線建設当時は新幹線と在来線の直通運転はしないという事になっていたので、軌間が違っていても問題はありませんでした。
しかし、新幹線と在来線を直通運転出来れば、所要時間の短縮と新規に新幹線を建設する建設費の節約を同時に達成でき、さらに乗換が不要となるので利用者にも便利です。この「新在直通」の手段の一つとして、在来線の軌間を標準軌にしてしまう方法があります。こちらは奥羽本線などで行われましたが、在来線を標準軌に変更してしまうと、他の在来線からの直通が不可能になってしまい、ネットワークが切断されてしまいます。さらに線路工事を行うのでその間は運休となってしまいます。
そこで、軌間はそのままで新在直通を実現すべく、線路ではなく車両の軌間を変更すればいいんだ! という考えで現在開発されているのがこの「フリーゲージトレイン」です。

展示されているこの車両は「第二次試験車両」で、新幹線は主に九州新幹線を、在来線は予讃線を試験走行していました。2013年頃まで試験走行を行っており、結果は「実用化に目処がついた」。その後、試験は第三次試験車両に移行したためこの車両はお役御免となり、2014年7月にここに運ばれてきました。

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運転室が公開される事もあるようで階段がありますが、今日は公開していないようです。

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階段に貼り付けられている説明プレート。大体さっき書いたような事が書かれています。

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フリーゲージトレインの肝である台車部分。この車輪の位置を変え、軌間が異なる路線を直通運転します。
そう言えば踊る大捜査線シリーズの番外編である「交渉人真下正義」とかいう映画にフリーゲージトレインが登場していましたね。あちらは標準軌の在来線と狭軌の在来線(共に地下鉄)を直通するためなので若干目的が違いますが。

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そして屋外に敷かれてるとても小さなレール。ミニSLなどの子供向けミニ列車のためのレールですが、ちゃんと枕木もあるなど再現度が高いですね。

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それでは南館の館内へ。入場券は南北共通なので、北のものを見せれば無料で通してくれます。
ちょっとした室内展示スペースをスルーして、車両の展示スペースへ。左から、DE10形ディーゼル機関車、キハ65形気動車(ディーゼルカー)、C57形蒸気機関車です。

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車両の方にはこれまた子供連れが向かってしまったため、先にその奥にある屋外展示場へ。なんかネットがかかってますが。

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まず、線路上に設置されている各種標識類ですね。地味ですが大切なものです。左から距離標、距離標、勾配標、臨時信号機類4つ、速度制限標識、車止め標識ですね。

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こちらは軌間の違いですね。左手前がJR在来線などの狭軌(1067mm)、右奥が新幹線などの標準軌(1435mm)です。

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そして車輪。左から、DE10形ディーゼル機関車、キハ65形気動車、2000系気動車のものらしいです。
このうち2000系は現在JR四国で「南風」「宇和海」などの特急列車に使用されている車両です。まだまだ現役のはずですが、この車輪一体どこから持ってきたのでしょうか……。事故廃車とかですかね?

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そして車両展示側に展示されているのは各種信号機の実物です。左から特殊発光信号機(特発)、入換信号機(入換標識?)、中継信号機、遠方信号機、閉塞信号機と誘導信号機ってところですかね。
このうち左二つ(棒状のものと、赤色が点灯してる五角形)は特発と言って、踏切の非常ボタンを押した場合などに発光して直ちに列車を停止させる、という役割の信号機なのですが、これが伊予西条に到着する列車内からも見えてしまう位置にあるのですよね。見間違いはしないでしょうけども、少し紛らわしいです。

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では車両を見ていきましょう。まずはDE10形ディーゼル機関車のトップナンバー。入換やローカル線での列車牽引用に開発された機関車で、汎用性が高く、現在も日本各地で使用されています。

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分かりにくいですが、運転台は進行方向前方ではなく横向きになっています。これは入換での利便性を考慮したためです。
鉄道における入換とは、車両を移動させたり列車を組み替えたりする事を言います。例えば貨物列車の場合、貨車Aを列車から切り離して引き上げ線に入り、ポイントを切り替えた後進行方向を変えて隣の線路へ移動させて荷物を下ろす、といった感じです。そのため、とにかく進行方向が頻繁に変わります。
進行方向が変わる場合は、逆転機を操作してバックモードにし、身を乗り出すなどして後ろを見ながら操作するか、前側の運転台から後ろ側の運転台に移動する必要があります。これでは何かと不便なので、入換用の機関車はよく横向きの運転台を備えています。運転台を横向きにし、前後に窓を設ければ、首の向きを変えるだけで簡単に進行方向を切り替える事が出来るからです。
ただ、本線運転では常に首を右か左かに向け続けなければいけませんがね。

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そのお隣はキハ65形気動車。大出力のエンジンを搭載した急行形気動車です。高松-高知の列車となると、現在の「しまんと」ですね。急行時代だと、「土佐」「あしずり」といったところでしょうか。

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貫通扉は塞がれ、エアコンの室外機が設置されています。展示車両あるあるですね。

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なお車両外部の通路途中にも展示品が。こちらは警笛ですね。「プアーン」と鳴るアレです。ラッパに圧縮空気を送り込んで鳴らしています。
下のが「プアーン」で気動車や電車などに装備される「タイフォン」、上の棒が、主に機関車などに装備される「ピー!」と甲高い音が鳴る「ホイッスル」です。

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隙間に落ちないようにでしょうか、板が敷いてあります。なぜかホームがない反対側にもスノコが。
今見返して気付きましたが、もしかしてこっち出口でしたかね。見落としていました、失礼。他に誰もいなかったので許して下さい。

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エアコン完備の車内。現在は展示専用のため別に家庭用(業務用?)エアコンが取り付けられていますが、現役時代もエンジンと発電機を組み合わせた「発電セット」による電気で冷房が、エンジンの廃熱で暖房が行われていました。当時はまだ完全冷房ではなく、冷房がない車両も走っていました。
座席は一見転換クロスシートのようにも見えますが、れっきとしたボックスシートです。今でこそ普通列車用というイメージがありますが、急行列車と言えばボックスシートであり由緒正しいものです。普通列車と違い、大型のテーブルがあり窓側にも肘掛が付いています。

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当然テーブル下の栓抜きも完備。窓も開くようになっています。

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車端部にある、4人向かい合わせ出ない二人掛け席。全席ボックスシートの車両ではよく見かけます。

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残念ながら運転室には入れないようです。南京錠で施錠されています。運転台はまあ標準的なもの。助士席側には「あしずり」のヘッドマークが置かれています。装着する場合もあるのでしょうか。

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ピンボケしていますが、キハ65 34という車両番号。こうやって床下機器などを間近に見れるのがいいですね展示車両は。ぶっちゃけこの機械何かなんて分かりませんけど。冷却用送風機ですかね?

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そしてその反対側には大きなSLの車輪が。なんとここのものには、車輪周辺の部品一つ一つにシールが貼ってあり、名前(部品名)が書かれています。部品をバラして並べた状態で名前書いてあるものなら見たことありますが、組み立てられたまま直接シール貼ってあるのは初めて見ましたね。

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そして運転席。って座れないのかよ!
入れないならともかく、入れるのに座れないSLも初めてです。

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なぜか石炭が転がっていたり、助士側の正面扉が開いていたり。あそこ開いてるのも初めて見ましたね。

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仕方が無いのでアクリル板(?)の上から撮影。こちらも部品名付きです。2枚目の写真、中央部にあるボイラーの上にある4つの計器。左からシリンダー圧力計、缶 圧力計、給水ポンプ圧力計、暖房用圧力計と全て圧力計になっています。個々に説明はしませんが、他のSLも大体こういう並びなので、並んでる順番も同じなのでしょうね。
また、3枚目は運転席の窓なのですが、これもしかしなくても旋回窓ですね。窓自体を比較的高速に回転させる事で雨や雪を吹き飛ばすもので、役割はワイパーと一緒です。視界確保能力はワイパーよりも上で、鉄道車両では特に雪の多い地方において採用されています。最近では採用例は少ないですがね。

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区名札は恐らく「岩=岩見沢」、その下には「42-5 苗穂工」と書かれた跡があります。張り紙で補足していますが、その張り紙も見にくいですね。
「岩見沢」「苗穂」は共に北海道の地名ですね。ということは北海道で走っていたSLなのでしょう。旋回窓が装備されているのも納得です。しかし、なぜそんな機関車が四国に……。西条市の公園で保存されていたらしいですが。

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SLが面する部分は古い時代のホームの様子が再現されており、駅名標や発車時刻表もあります。
時刻表をよく見てみると、準急が走っていたり、二等車や三等車という記述があったり、上りの行先が高松桟橋(当時瀬戸大橋はなく本州と四国の連絡は船であった)だったりする辺りに時代を感じますね。三等車まで存在していたのは1960年以前、高松桟橋駅が存在したのは1924年〜1959年なので、その辺りの時代なのでしょう。

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屋内へ。屋内には鉄道ジオラマと、四国の鉄道を紹介するパネルが設置されています。「線路の平面交差」「ループ線」「川底を横断するトンネル」「予土線3兄弟」などが紹介されていますが、これらは全て、今回の旅で訪れます。川底を横断するトンネルに関してはそこそこ例があり、また見た目も普通のトンネルと変わりないため特に意識せずスルーとなるでしょうけども。

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その紹介パネルの反対側には、鉄道車内の乗務員室への扉のようなものが。はて、ここは何のスペースなのでしょう。

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以上、四国鉄道文化館でした。見学時間は1時間ほどでしたが、思ったより充実していましたね。何より、久しぶりに0系の運転席に座れて満足です。また、平日だった事もあり、ほとんど誰もいなかったというのも良かったですね、他の人を気にせずじっくり座っていられました。

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南側にそびえる山々。結構高そうです。

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再び歩道橋を渡って、伊予西条駅に戻ります。ここからだと、北館にと営業路線が繋がってる部分が見えますね。



その2→

 

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