目次
出発前
そんなこんなで、いつもの大阪駅。湿度のせいで不快感マックスではありますが、いつも通りです。
新快速 大阪→姫路
特急並みの快速であるJR西日本の新快速。大阪始発列車なので比較的容易に座れます。朝の時間帯のため人が多く、また今後立ちっぱなしになるため姫路までは座ります。
快速を追い抜きつつ大阪湾、そして明石海峡大橋を望みます。帰りはこの海の上を通る予定です。
特に雨が降ることもなく、むしろ途中で少し晴れたりしながら姫路に到着。
ここから山陽本線を外れるため、播但線ホームへ移動。103系という昔は首都圏でも見られた車両が、2両に縮められワンマン装備を設置するという改造を受けて走っています。
ラッピング車両も走っているようです。
関西から鳥取方面への最短の足となる特急スーパーはくと。私もこれから鳥取方面へ向かいますがどちらかというと遠回りルートで参ります。
普通 姫路→寺前
つい最近高架化された姫路駅を出発し、30年ほど前に高架化された区間へ入ります。
単線のため、さっそく列車交換(すれ違い)。普通と特急はまかぜと連続ですれ違います。
地上に降り、のどかな風景の中を進みます。電車には、モーターが搭載されている動力車と、モーターがなく動力車に引っ張られる付随車があるのですが、この播但線用103系は全車動力車のため、とてつもない轟音を立てながら結構なスピードで走っていきます。
ローカル線なので普段は2両編成なのですが、朝など客が増えるなどの理由により増結され4両となることも。
前述の通り前日までの雨のため、川はかなり増水しています。前日は播但線も止まったりしたのですが、今日は動いてくれたので助かりました。
山が深くなってきたなーといったところで終点寺前に到着、乗り換えです。夏休みの時期だけに旅行客が多いような気がしますね。
普通 寺前→和田山
播但線の寺前以南は1998年に電化され、(お古の改造車ではあるが)電車が導入されましたが、寺前以北はトンネルサイズの問題などで電化されておらず、気動車で運転されています。2両の電車から1両の気動車に乗り換えのためか、車内は着席率100%、そこそこ混んでいました。
寺前駅の留置線にいた気動車。よく見ると煙突っぽい穴が見えますね。煙突なのかどうかは知りませんが。
キハ40系という、今でも全国で見られる車両ですが、この車両は元々片運転台(車両の一端にのみ運転席がある)だったものに運転台を増設し、両運転台(車両両端に運転席がある)として1両で運転出来るようにした、またまた改造車です。改造車のため元々のキハ47形からキハ41形に変更されています。(キハ47もキハ41もキハ40系というグループ)
出発進行、なのですが。この車両に限らず、国鉄製の似たような運転台を採用している車両でワンマン運転対応のものは車内確認用のミラーが、丁度私が前を見る場所と重なってしまっているので、前が見難いわ写真撮りにくいわであまり好きじゃないんですよね。二枚目、三枚目の左上のものがそのミラーです。まあ運転士さんにしてみれば車内の主に降車客確認用なのに私しか映らないというこれまたとんでもなく邪魔なんですがね。
寺前を出ると間もなく生野峠に入ります。この車両は特に強力なエンジンを積んでるわけでもないため、この区間のような上り勾配ではスピードが上がらず、ずっとエンジンは轟音を立てているのにスピードは40km/hといった状態です。おまけに雨も降ってきてしまいました。
前窓は雨粒で悲惨な状態ですが、横窓からはとてもいい景色が撮れました。寺前〜和田山の沿線には生野銀山や竹田城などといった名所があるらしく、一度行ってみたいものです。
播但線の終点、和田山駅に到着です。雨の被害による迂回ルートはここまでで、ここからは本来予定していた通りに進みます。
ホームの発車標。二段目の特急きのさき12号の右側に「吊下 青」とあり、見慣れない漢字に最初は中国語と思いましたが、よく考えると「吊り下げられている乗車案内の青色」という意味だったのかもしれません。
「LITTLE LOCOMOTIVE NO.1」と書かれたその名の通り小さな機関車。駅前に設置されていました。
かつては駅北部に豊岡機関区の支区があったらしく、赤レンガの車庫と給水塔が残されています。車庫の天井はなくなってしまっていますがね。
普通 和田山→城崎温泉
給水塔、つまり蒸気機関車の補給ポイントの一つであったわけですが、現在のこの辺りの山陰本線は電化されており、新快速車両のローカル線バージョンとなる電車が運転されています。
右に大きな川を望みながら鉄橋を渡ったり。この川もきっと増水しているのでしょうね。
電化されているとはいえ単線でしかも特急も走るため、途中駅ですれ違い待ちも行います。普通、特急ともに国鉄時代の車両から最近新しい車両に置き換えられています。
単線で運転出来る本数を増やす方法の一つである信号場。昔から特急が走る路線なだけあり、所々に設置されています。
再び雨が降ってきましたが、今回は助士側のワイパーも動かしてくれたため、雨に邪魔されずに済みました。先ほどの播但線は前が見れる窓にワイパーがなかったんですがね。ともかく、ワイパー動かしてくれる運転士さんに感謝です。
北近畿タンゴ鉄道(KTR)との分岐駅である豊岡駅を出発。右に分岐しているKTR宮津線は元々国鉄の路線だったのですが、過疎化などで赤字になり、第三セクターのKTRの路線となった歴史を持ちます。そのため、線路自体はさもJRの一路線かのような配線になっています。
円山川沿いを走ります。霧というのか雲というのか、が出ていて向こうの山は霞んでしまっています。面白い光景です。
この電車の終点にして起点京都からの電化区間の終端、城崎温泉駅に到着です。まだ残っている古い国鉄車両で運転される特急こうのとりが停車しています。
若干時間があるので、城崎温泉と言われる温泉地の駅前を少しだけ見ることに。
駅を出てすぐ右手には足湯もありました。残念ながら入ってる時間はありませんでしたが。
食料を買い込み、再びホームへ戻ります。改札と反対側には「まるやまがわ」の看板があります。
普通 城崎温泉→鳥取
ここからは再び非電化区間。一応本線のためか、運転台増設工事を受けていないキハ47形の2両編成です。
ただし、しっかりとワンマン対応改造は施されているので相変わらずミラーが邪魔です。前を見るだけならまだ大丈夫なんですが撮るとなるとどうしても視界が狭くなってしまいます。
非電化区間となると同時に特急は「一応走っている」レベルまで激減するため、普通列車同士のすれ違いが中心になります。かつての貨物用引き上げ線には除雪車と思われる車両が留置されていますね。
ピントがアレですが、日本海です。
片方のホームが使われておらず荒れ放題ではありますが、駅名標だけは現役な柴山駅。入り江に面したこの駅、なんでも現在使われていない海側のホームは開業数十年後に増設されたものらしいです。恐らく、開業数十年後に本数を増やすため増設され、最近になって本数が減り不要となった、といったところでしょう。
場所や路線にもよりますが、停止信号は列車交換または待避の合図。なんとこのローカル線、快速も運転されているようです。
入り江というか小さな港というか。山中ではこのような場所に民家が集中している光景が、山陰本線沿線ではかなり見受けられます。
旧余部鉄橋は少しだけ保存されており、現在は展望台のようなものになっています。橋の付け替えに伴い橋の鳥取側にある餘部駅も新しくなり、立派になっています。ただしトイレは閉鎖されているらしいですが。
本数が減っている影響でしょうか。線路が剥ぎ取られた跡がよく分かります。
蟹で有名らしい浜坂駅。この区間を走る唯一の特急はまかぜ3往復のうち1往復はこの駅までで、もう1往復はさらに手前の香住駅まで。残る1往復のみがこの先の鳥取まで走っています。
タイミングよくはまかぜがやってくるなんてこともなく、再び快速とすれ違い。
諸寄駅にて、何かの跡を発見。一体これは何なのでしょう?
東浜駅。その名の通り近くに海水浴場があるのですが、人はいませんね……。
普通列車とすれ違い。1両ですが、JRになってから作られた新しい気動車ですね。
雲は流れていったようで、かなり晴れてきました。
大岩駅の国鉄時代のものと思われる駅名標。かなり状態は悪いですが、一応「おおいわ」と読めます。
駅によっては跨線橋や地下道なんてものはなく、構内踏切。一応遮断機は取り付けられています。
なぜかごっそりと削れてしまっている山肌。
坂を下り終える頃には街になり、高架を走ります。
ちなみにこの列車、一番前辺りはこのような構造になっています。扉の位置との兼ね合いから運賃箱が車内に張り出していて、柵があるためこの運賃箱の後ろからしか前が見れないのです。おかげで普通の車両よりもさらに窓から離れる事になり、視界が狭くて仕方ありません。
そんなわけで、カメラについても常に望遠を働かせていたわけです。そして左手に特急を見つつ鳥取駅に到着。
一瞬向かい側に止まっているこの車両が乗り換え先かと思いましたが、そんな事はありませんでした。乗り換え時間は5分しかないので、急いで階段を下ります。
止まっていた特急はスーパーいなば。岡山と鳥取を結ぶ列車です。
快速「とっとりライナー」 鳥取→米子
完全に駅名標撮影を忘れていたの図。余裕がなかったとも言います。
出発。しばらくは高架ですが、すぐに地上に降り川を渡ります。
鳥取からしばらく複線のように見えますが、この右側の線路が車庫へ出入りするための専用線らしいです。車庫にはキハ47形の他、特急列車が留置されています。
丘を登りきると鳥取大学前。快速だけでなくなんと特急まで停車するそうです。ただしホームは1面のみ。
再び山岳区間に入りますが……窓が砂のようなもので汚れていて、視界が若干黄色いんですよね……。
単線恒例列車交換。左の車両がオリジナルで、そこにラッピングをしたのが右のコナン車両です。
鉄道は左側通行なので、対向列車は普通右側にいるはずなのですが、左側に普通列車が停まっている。なぜかと思いましたが、単に本線を特急が通過するため待避線に入っていただけでした。
鳥取付近では混雑していた車両ですが若干緩和されたところで車内に目を移してみると、なんとゴミ箱が。特急やJR四国など一部の列車には付いていますが、JR西日本の普通列車で見たのは初めてかもしれません。
海沿いだからでしょうか、風車もよく見かけます。
枕木交換準備がされていました。最近どこに行っても新しい枕木を線路脇に置いてるのを見かけます。
この車両キハ126系の速度計。最高速度である100km/hを指しています。先ほども言ったとおり電車並みの性能のため100km/h到達までの時間よりは従来の車両よりも短いです。
一部の特急スーパーはくとが回送されてきて折り返しを行う由良駅。コナン駅という愛称が設定されているらしいです。
ふと気になった車内の物その2、コンセントカバーらしきもの。試しに開けてみると確かにコンセントですが、穴は特殊な形をしていますね。気動車とはいえ色々と電気機器も使用しているので発電もされているのでしょうが、新幹線などにある一般客用ではなく業務用のコンセントでしょうねこれは。
特急通過待避。この辺りは線路などが高速化工事を受けているので、特急はその性能を生かし120km/hで走り抜けます。そのため、ジョイント音(ガタンゴトン)もとてつもないスピードとなっています。というかなんで連結器の位置ずれてるんですか?
平地であり海が近い場所。風車が目立ちます。
右は鳥取方面への普通列車、左は米子方面への普通列車で快速の待避、というところでしょう。単線なので遅れが広がりやすいですね。
頭上が一気に騒がしくなりました。電化路線である伯備線が合流したためで、今まで頭上に何も無かったところに架線が大量に出現しました。
同時に複線となります。やはり複線だとすれ違う場所を選ばないので自由度が向上しますね。
結果的に5分遅れで終点米子に到着。接続先の列車は待っていてくれたようで本当に助かりました。三枚目の写真を拡大すると、15:50を過ぎているのにつぎの列車は15:50と表示されています。
普通 米子→出雲市
さすがに発車待ちでいつ発車するか分からない列車の正面を撮ってる余裕はなかったので、とりあえず車番で。再び朱色の国鉄車両となり、4分遅れで発車です。
伯備線で運用されている電車(これまた改造して無理矢理2両にしたもの)と山陰本線の気動車が見られます。なおこの車両、車掌が乗っているためワンマン用のミラーが畳まれており、今までのミラー付き車両と比べてよく見えます。
若干ディーゼル機関車(2枚目)と並走した後、電化されている複線を進みます。この辺りは一部だけ複線化されており、また岡山方面から電車特急が入るため電化されています。なので電車で運転されてもいいはずなのですが、気動車も結構使われています。
青空が綺麗に見えるようになってきました。いい天気です。
架線が張られているのに架線と接触せず自前の燃料で走る列車。果たしてこの区間だけわざわざ電車にするのと、架線があるのにわざわざディーゼルエンジンで走るのと、どっちが効率的なんでしょうね。
なんだか凄い大きな湖が、凄いいい天気と一緒に現れました。中海と言って、元は湾だったらしいですが日本海側に土砂が積もり湖となったそうです。
複線となって高架を上がり、松江駅。偉大なるローカル線ですが、都市部は結構高架化されていますね。松江駅の高架化は1977年と古いものですが。
松江駅を出ると単線の高架。高い建物も立っていて、かなり都会ですね。
少し日が傾いてきたところで再び大きな水面に遭遇。海かと思いましたが、これは宍道湖ですね。向こう側が霞んでしまって海にしか見えません。
木次線との分岐駅である宍道駅。コスト削減のため朱色一色となったものとまだ今までの塗装のままの木次線の車両(1、3枚目)と、岡山方面から来る特急のうちの一つ、特急やくも(2、4枚目)。木次線の普通列車はJR車ですが特急は国鉄車という状況です。
普段あまり使われていない事がよく分かる待避線に入ります。たぶん特急の通過待ちなんだろうなと、普段なら喜んでホームに降りるところなのですが、今回はダイヤが乱れているためいつ発車するか分からず、置いていかれるのが怖かったため車内に残ります。
やっぱり特急待避でしたホームに降りておけばよかった……。なんとか望遠働かせて撮りはしましたが。
複線かのような光景ですが、左側がJRの線路で右側は私鉄の線路です。ただ並んでるだけです。
その証拠に、高架は別々となって右側(3枚目)には私鉄の車両が見えます。
高架駅であり本日の終点、出雲市駅に到着です。
向かい側には、先ほど待避したであろう特急やくも。やくもの終点も出雲市駅なので、折り返し作業中ですね。
出雲市駅外観。出雲大社をイメージしてでしょうか、和風の大きな屋根が付いています。
その内側にはこのような2セットの絵が描かれています。私のない知識から推測するに、「因幡の白兎」と「ヤマタノオロチ」といったところでしょうか? 間違っていても知りません。
さらにバス停までこんな屋根に。いやまあ大好きですけどね。
駅北口を出て右に数分。島根の地方私鉄、一畑電車の電鉄出雲市駅です。ホテルまでJR出雲市駅から歩いてもいいのですが、せっかくなのでこちらに乗ってみます。
私鉄なので当然青春18きっぷは使えないため券売機で切符を買い、高架のホームへ。先ほど見た黄色い電車がお出迎えです。
主に扉の構造に見覚えがあると思ったら、南海車両工業と書かれたプレートが。おまけに自転車の持ち込みが可能だそうです。
南海電気鉄道(大阪にある私鉄。難波と関西空港や和歌山、高野山を結ぶ)の車両なのかなーと思っていたら、車内に写真付きでその通りだと書いてありました。都会の大手私鉄で古くなった中古車両を安く、時には無償で譲ってもらい自社の車両として運行するという中小私鉄あるあるのパターンでした。まさかこんな所で地元の車両に出会うとは……。地元でこの車両乗った事ないですけど。
各種仕様もJRでは見られない独特のものとなっています。まずワンマンの車内確認装置ですが、ミラーに加えてなんと監視カメラが搭載されています。確かにこれは使いやすいですね。また、行き先表示機なんて機械はないようで、運転室内から行き先札を掲示しています。
次に乗車券と運賃箱。運賃箱は若干古いものの一般的なものです。乗車券の方は当然自動改札機なんてものもないので磁気化されておらず、ぺらっぺらで食券のようです。それでもしっかり改札鋏が入っています。
一畑電車 電鉄出雲市→大津町
出発。しかし正面2枚窓の車両全般に言える事ですが、私の定位置である真ん中に立つと前が見難い写真が撮り難い! いやまあ場所変わればいい話なんですが、運転士さんの真後ろでカメラ構えるのもなんだか……。
電鉄出雲市からたった2駅で目的の大津町駅に到着。短い間でしたが貴重で面白い体験が出来ました。まあまた明日乗るんですけどね。
大津町駅。駅舎はしっかりしていますが、券売機は食券のアレです。何も問題ないんですけどね。
途中ローソンで晩飯と朝飯を買い込みつつ、数分歩きます。